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▼ すあまにあ倶楽部 第79回 女子高生の手料理を味わう

文=抱枕すあま

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『HIYOKO BRAND おくさまは女子高生』(1)
著者=こばやしひよこ
ISBN10:4087826988
定価:1050円
発売日:2002年11月
出版社:集英社

(※この記事は2009年にWEBスナイパーで掲載されたものを再編集の上で再録したものです)


私の友人たちは、誰もこのコラムを読んでいない。友人たちだけではない。このコラムを読んでいるという読者の方にもお会いしたことがない。たまには誰かに、「いつもコラム読んでます!」だとか、「クンニしてください!」だとか、「抱き枕にしてください!」などといってもらいたいものだ。

昔、心配になったので、『WEBスナイパー』編集部のI氏に聞いてみたことがある。I氏は、「ちゃんと読んでいる方はいらっしゃいますよ。心配いらないですから。毎日のように、アクセスはありますからね」と慰めてくれた。ただ、私はこのコラムが打ち切りにならないよう、毎日、自分で自分のコラムにせっせとアクセスしているのだ。ひょっとして、その毎日のアクセスというのは、私なのでは?

私の友人たちは、別に『WEBスナイパー』を読んでいない訳ではない。私のコラムだけ、読んでいないのだ。なんとも器用なことである。まぁ、不定期連載(一応、隔週木曜掲載を目指してます)なので、大きなことはいえないのだが。でも、すでに連載が終了になったと思っている人が多いのは、どういうことなのだろうか?

しかし先日、珍しいことに、友人の一人である『SunShop』の総帥からメールがあった。総帥からメールがあるなんて、何年ぶりだろうか。前回のコラムでは、閉店した『SunShop御徒町店』を取り上げたので、さすがにこれは読んでくれたに違いない。おそらく、その感想をメールで送ってくれたのだろう。

私は、親友とも呼べる総帥がコラムを読んでくれたことを喜び、メールを開封した。すると……。

「10月17日に、DIDのイベントをやるよ! あと、11月8日には、『シネマジック』のイベントで、川上ゆうちゃんの緊縛撮影会をやるよ!! 今年最後の大イベントだよ!! じゃあね!!」

おっ、おいっ! 私のコラムの感想はどうした!? まったく読んでいないのか!? 10月17日のイベントについては、前回のコラムで告知したというのに……。こんなことなら、総帥の悪口でも書いておけばよかった。

それに、川上ゆうさんのイベントをメールしてくるだなんて……。コラムにも何度か書いたことがあるが、川上ゆうさんとは何度会っても、私は単なる素人のファンの一人だと思われているのだ。一緒に撮影の仕事をしたことがあるというのに。

つい先日、新宿のSMクラブ『スウィート デビル』で女王様をやっている辰神麗子さんと撮影でご一緒する機会があったので、そのことを慰めてもらったばかりだった。

麗「ほら、あの撮影(『SM軍事医療研究所』SMグッズのエピキュリアン)の時、私が川上ゆうちゃんを責める担当だったから、覚えていないんじゃない? すあま君は、西谷ひかるちゃんを責める担当だったし」

す「そ、そうですよね! ただ単に、忘れられていた訳ではないですよね!! 私の存在感が、ほんの少し希薄だっただけですよね!!」

そこへ、エピキュリアンの社長がやって来て、こういった。

社「すあま君の存在感が希薄? 撮影の合間、ずっと抱き枕の百合ちゃんを抱いていたのに? それに、大量のレタスを食べる役だよ? 隣に座って、川上ゆうちゃんのおっぱいを揉みながら、レタスを2玉分モリモリ食べていたじゃん。存在感が希薄ということはないでしょ? たぶん、嫌われたんじゃないの?」

す「う、うわ~ん!!(泣)」

(閑話休題)

最近、私は女子高生の手料理を食べている。疑われるかもしれないが、本当のことなのである。この女子高生は、私好みの背が低くて可愛らしい女の子なのである。そんな女子高生が、イヤな顔ひとつせず、週末は私のために手料理をつくってくれるのだ。

あぁ、私はなんて幸せなのだろうか……。別に、妄想癖が高じて、抱き枕のセーラちゃんが手料理をつくってくれるという幻覚を見ている訳ではない。正真正銘の女子高生の手料理なのだ。なんてことはない。近所のお弁当屋さんに、女子高生がバイトで入っただけなのだから。

しかし、この女子高生は、注文を間違えることは当たり前。唐揚げ弁当なのに唐揚げが入っていない日もあれば、ハンバーグ弁当に山盛りの唐揚げが入っている日がある(当然、ハンバーグは入っていない)。家に帰ってお弁当のフタを開けるまで、気が抜けないのだ。

店長さんは、「こめんなさいね。まだ若いから間違えることが多くって」と誤るのだが、個人的にはそれがよいのだ。ギュウギュウに押し込められた白米。きれいに列んでいないおかず。ちょっと焦げたハンバーグ。冷蔵庫の余り物で簡単に晩ご飯をつくってしまう主婦にはない、料理を始めたばかりの女子高生の初々しさが、私のハートを狙撃するのだ。

ついつい、

女「どうしよう……。ちょっと目を離したすきに、目玉焼きが焦げちゃったの。すあまタンの大好きな、半熟にしようと思ってたのに……(涙)」

す「大丈夫だよ。気にすることはないよ。泣くのはやめな。君には笑顔が一番似合っているよ。どれどれ。うん、おいしいよ!」

女「ダメっ! そんな焦げたの食べたら、すあまタンが病気になっちゃうよ!!」

す「大丈夫だよ。だって、奈々(仮名)が僕のために真心を込めてつくってくれた目玉焼きなんだもん。病気になったりはしないさ」

女「すあまタン、大好き!!」

などという女子高生との新婚生活を想像し、ちょっと焦げたハンバーグ弁当を食べつつ、「むははっ!」と月夜に向かって笑うのであった。


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