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▼ 赤満講猟奇譚 第45回【指枷】

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絵と文=大園喜八郎

秘密教団「赤満講」が、生け贄となった哀れな少女たちを使って荒ぶる神々を鎮める背徳と暴虐の歳時記。
ジャパニーズ・カルトの新境地!


【指枷】

もう止めて 煙突を抱く 真っ裸

戦争末期、当時の女学生は軍需工場に徴用されました。一日の内、八時間は学業、八時間は工場、あと八時間は食事睡眠という日程で、一週間交替二十四時間ぶっ通しの作業が行なわれました。

作業の監視には学校の先生の他、常駐している憲兵がその任に当たりました。わざと怠慢な作業を行なうのはもちろん、大きな過失や未熟さによる作業の遅れも処罰の対象として労働時間の延長や、睡眠時間の短縮が命ぜられたのです。

ただし、より厳しい刑罰は盗みについて科せられました。腹が減って我慢ができずに食べ物を盗み食いした女の子、メンスの出血が多いために脱脂綿を盗んだ女の子、それから寒さのあまりに詰め所のストーブでこっそり温まっていた女の子が、憲兵に捕まって残酷なリンチを受けたのです。

また、先生や上級生も、ちょっと生意気な下級生や、いつもめそめそ泣いている弱い女の子を、虐めの対象にしていたのです。

やっと国民学校を卒業したばかりの女学生を、憲兵隊の詰め所に連れてきて不動の姿勢を取らせますと、それだけで少女は半泣きになって震えていました。「上衣(じょうい)を取れ、袴と下ばきを脱げ」と大きい声で号令されますと、たちまち真っ赤になって俯いてしまいます。
次に両手を後ろに回してストーブの煙突を抱えるように命令、差し出した両手の可愛い白い親指を、針金で括ると「指枷」のできあがりです。

ご覧の通り、少女の輝くように清らかな裸体には、一本の縄も糸も見あたりませんが、生け贄は逃げ出すことも、大きく身体を動かすことも、まして乙女にとってもっとも恥ずかしい陰部や乳首を隠すこともできないのです。

詰め所にいる憲兵の他に、工場の工員、男子中学生、先生や女学校の先輩や同僚たちにも全裸の情けない姿を曝さなければならないのですから、その惨めさはとても言葉で言い表わせるものではありません。

ただし、本当の拷問はこれからです。やがてストーブに石炭がくべられますと、煙突は熱せられて、否応なしに少女の両腕や背中を焙ります。

「もう止メテー、許してー」と少女は脚をバタバタさせて泣き叫ぶのですが、暴れると火傷をしますから、動くことのできない有様です。

さらに恐ろしいのは空襲があった時です。余裕があれば、素っ裸ながら防空壕に退避することができますが、時間のない時は、丸裸で縛られたまま放置され、爆風で吹き飛ばされようと、焼夷弾で焼かれようとも誰も助けにくる者とてなく、単なる爆死として処分されるのでした。

夜になるとやっとストーブの火は消され、少女が生き返ったのも束の間、今度は厳しい寒さと、蚤の襲撃が待っていました。誰もいない詰め所で、ぶるぶる震えながら、激しい痒みに泣かなければならないのです。

さて、皆さんの前に全裸で震えている河村綾チャン(仮名・×三歳)が、本日の生け贄です。鞭でしばいた後、後ろ手に煙突を抱いた姿で指枷を施して下さい。そして、処女の涙と鳴き声を十分に堪能して頂きたいと思います。


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