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▼ 私の嗜肛錯誤の日々【3】

私の嗜肛錯誤の日々【3】


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「S&Mスナイパー」1980年6月号より
告白者=広瀬謙吉(仮名・50歳)

私の嗜肛錯誤の日々【3】

そのころはもう一端の遊び人気取りで、両親に幾度となく諌められ、勘当まで申しわたされたりもしたのだが、ひとり息子の私を本気で勘当するわけはないと高を括り、色道一直線だった。

相手は二十三歳。近所の小料理屋の手伝いで、心中未遂事件を起こしたこともある直情型の女だった。名を美代子といった。「おい、謙吉よゥ、あの美代子と懇(ねんごろ)になってみなよ」と、これまた私に劣らぬ放蕩児の研一郎にけしかけ喋られたとき私は、

「と、とんでもねェ、あの手の女は御免だよ。惚れられちまって、思い詰められてよゥ、寝首を掻かれちゃ、股間のムスコに怨まれっちまうよ」

研一郎の家は神田の医療器具問屋で、私の家の身上とは較べうるほどのものもなく、研一郎はどちらかといえば、私にタカることが多かったのだが、なかなか気風がよく、その上、色の道に関しては旺盛な探求心を持ち、奇抜な思いつきを私に語って、飽きさせることがなかったので、私のお気に入りだった。

「そこをうまくやるのが、男の甲斐性じゃねえか。美代子はきっと床上手だぜ。おめえ、言ってたじゃねえか、もっと刺激的な女はいねえか、って……」

その研一郎にあれこれと言いくるめられ、その気になったのが、アヌス開眼の契機になったのである。研一郎が何気なく呟いた言葉が胸底に引っかかっていたことも確かであった。

「……あの手の女はケツの穴でもヨガるかもしれねえなァ」

そのとき私にはその言葉の持つ意味がよく分かっていなかった。四十八手を愉しむことだけが、まだ若い私の快楽だったのだ。

心中未遂事件の苦い思い出から解き放たれていなかった美代子には私のような軽佻浮薄な男は慰めになったらしく、一、二度喫茶店で会っただけですぐに肉体関係を持つことになった。主に美代子の間借りしている部屋だった。

「あの人も謙吉さんみたいにノンビリしたところがあればねェ……あんな事件を起こさなくても済んだのに……」

床に入る前、小さな卓袱台を挾んでお茶を飲んでいる美代子はシンミリ言ったものだ。

私はその言葉を聞くと、「こりゃァ惚れられる心配はねェ。美代子にとって俺は気軽な慰めなんだ……」と、安心したものだった。 永い間孤閨を保ってきた美代子の乱れぶりはたいへんなものだった。

それを予想していた私は美代子を焦らせに焦らせ、着物、襦袢……と一枚ずつ脱がせては、掌や首筋に軽く口吻を注ぎ、また、ひと休みしてはムダ口をたたくといった按配で、美代子は裸に剥かれる前にすっかり乱れ、むっちりと脂ののった内腿をしとどに濡らせてしまったものだ。

(つづく)


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