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▼ 花嫁奴隷〜渚〜【7】

花嫁奴隷〜渚〜【7】


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「生贄おさな妻〜収集家の奴隷〜」(大洋図書)より
脚本=雪村春童
著者=芽撫純一郎

花嫁奴隷〜渚〜【7】

昨夜、竜二は一晩中地下室に閉じこもって昼過ぎまで出てこなかった。
地下室には鉄格子で仕切られた牢があり、その中にはベッドと各種の拘束具、さらに、何に使うのか分からない器具や、明らかに大人の玩具に類する卑猥な小物が所狭しと置かれていた。

竜二が一人きりでそんな場所に閉じこもる理由はない。

牢の中に誰かが、恐らくは「奈美」と呼ばれる女性がいたものと思われる。
いったい、「奈美」とはどこの誰で、「みんな壊れちゃう」とは、何を意味しているのだろうか。

ソファの上、いつしか寝息を立て始めた竜二の足元に「精子 2002−2003」とラベルの貼られた瓶が転がっていた。

この瓶の中身が5、6数年前に1年間かけて採取された竜二の精子だとして、女性に飲ませようとして吐き出されたのもこれだとすれば、その行為の異常さは余人に測れるものではない。

瓶に密封されているとはいえ数年間常温で放置された精子がどんな状態にあるものか……。
単に保管しておいたという一事だけでも、この男の変質性が十二分に窺えるというものである。

怪物は、時を経てさらなる負の成長を遂げたのだろうか。

(つづく)


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