花嫁奴隷〜渚〜【12】
服装そのものは、記憶が途切れる前と同じワンピースであった。
しかしパンストの股間部分に引き裂かれたような穴が開いていた。
パンティは穿いていたが、不自然によれており、秘唇の一部が露出していた。
また、ワンピース自体に乱れは見られないものの、その下に着けていたブラジャーがずり上がって乳首が直接ワンピースに触れていた。
自分に何が起きたのか、若い女であれば誰もが想像することを、渚もまた考えた。
下半身にレイプを思わせる違和感はなかった。
しかし手で太腿に触れると、脚の付け根にナメクジの這ったような、薄い粘液の跡がある。
唾液かも知れないと渚は思った。
何者かが、自分を路上で気絶させた後、この場所に運び込んでパンストを破り、乳房をこね、太腿や秘唇を舐め回した。
そう考えるのが自然だった。
そしてその犯人はまだ、この建物の中にいるに違いないと渚は思った。
少なくとも、この場所へもう一度戻ってくることは間違いない。
そのための牢であり、さまざまな道具であるに違いないからだ、と。
渚は立ちあがってベッドを下り、牢の扉に手をかけた。
しかし、押しても引いても鉄格子はびくともしなかった。
大声を出して助けを呼びたかったが、犯人に声を聞かれるのが怖くてできなかった。
絶望感から足が萎えそうになる。
犯人は、何者なのか。
そして最終的な目的は何なのか。
震えながら、ゆっくりと振り返り、渚は改めて牢の中を見渡した。
(つづく)
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