花嫁奴隷〜渚〜【28】
「あぁ、ここにはないんだよ。あれはそのたびに作るの。特製の液に一晩浸しておかにゃならんから」
竜二が親切顔で説明する。
あの――と渚が顔を歪ませた。
「私……私、もうすぐ結納が……結婚が……」
言ったところで無駄だと知りつつ、それでも言わずにはいられなかった。
結婚? 知ってるよ――と竜二がかぶせる。
「さっき言いましたよね、それはもう無理になって、渚ちゃんは、私の花嫁になることが決まったって。だから渚ちゃんを調教するんだって。もう観念すること!」
そう言って尻ポケットから出した笑気ガスのスプレーを渚の顔面にふきかけた。
そして出入り口を振り返り、怒鳴る。
「おーい、竜也! ちょっとこの子、ベッドに載せて、縛っといてくれんか。起きても舌噛まんように、猿轡もしてな」
地下から直接聞こえてくる声にモニターを見ていた竜也が打たれたように飛び上り、慌てて部屋を飛び出した。
(つづく)
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