花嫁奴隷〜渚〜【29】
「ああ……かわいそうに……」
ベッドの上で大の字に寝かされ、木枠に両手両足を固縛された渚がいた。
まだ眠っている。
渚の衣服はすべて脱がされ、形のよい白い乳房も、淡い茂みの奥の合わせ目も、ぼんやりとした灯りの下にむごたらしく晒されている。
「ごめん、ごめんよ、渚ちゃん……」
竜二に吹きかけられた笑気ガスを吸い込んで床に倒れていた渚を抱き起し、服を脱がせてベッドに縛りつけたのは竜也である。
その間、何度も渚の柔肌を撫でまわし、肌にキスをし、舐め回した。
こんなふうに、意識を失った女を手や舌で汚した経験は初めてではない。
これまでに攫ってきたほぼ全ての女を、竜也は竜二に隠れて「味見」してきていた。
ただし、セックスまではしたことがない。
ただ、触り、ただ舐め、ただ覗き込む。
それだけで陶酔にも似た快楽に惑溺できるのが竜也だった。
渚の衣服を脱がす時、一枚一枚の素材を、手と頬と舌で味わった。
ワンピースの裏地の滑らかな感触に酔い痴れ、その段階で一度、ズボンの中で射精した。
それでも、下着に手をかける瞬間には、尚も痛いほどに勃起していた。
かつてこんなにも自分を酔わせた女がいただろうかと、竜也は思った。
ただ触れただけで射精した経験は何度もある。
が、彼女たちは竜也にとって、過去においても未来においても、現在においても赤の他人でしかなかった。
渚はそうではない。
竜二より以前に自分と深い関わりを持った、特別で唯一の存在だった。
(つづく)
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