花嫁奴隷〜渚〜【33】
ギチ……ギチ……
手首が頭上に引き上げられ、少しずつ身体が浮き上がっていく。
滑車の縄尻を持っているのは竜二だった。
満面の笑みを浮かべて滑車の駆動部分を見上げている。
竜也が牢を出て行った後、渚はわずかに残った笑気ガスの作用と緊張の連続から来る疲れで、しばらくの間眠っていたようだ。
まだ脳に霞がかかったような、ぼんやりとした意識状態であった。
気力が尽きたと言ったほうがいいのかも知れない。
目覚めた後、やがてバケツを持った竜二が牢に現われ、手足の縄を解かれても、抵抗したり、逃げ出したりしようとする気が湧いてこなかった。
ただ、自分はこれからどうなるのだろうと、まるで他人事のように考えていた。
「ずいぶん眠ったね、渚ちゃん。特製ずいきの準備はすっかりできたよ。ほら、たっぷり汁を吸って、こんなにブクブクに膨れ上がってる」
竜二がそう言って、バケツの中から茶色い粘液にまみれた張り形を取り出して見せた。
それは、あまりにも太く、淫具としての現実感を渚に抱かせるものではなかった。
すべてが悪い冗談のように思えた。
渚が黙っていると、竜二が「怒っているのかい?」と言って渚の下腹部に手を伸ばしてきた。
さすがに腰を引いて手を払いのけようとしたが、スタンガンの威力を思い出すと、反射的に身体が縮こまって行動に移すことができなかった。
「ふふふ、よく分かってきたようだね」
竜二が割れ目に指を埋めながら嬉しそうに言い、「でも、まだ濡れてないようだから、念のために手首を縛って、じっくり花嫁修業してもらおうかな」と小鼻を膨らませる。
(つづく)
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