花嫁奴隷〜渚〜【42】
自分はこれから地下に下りるだろう。
それは竜二の命令があったからだ。
渚に挿入したままのずいきを抜いて身体を拭いておくようにと。
自分は実行するだろう。
命令には逆らえない。
しかし、そこから先は――何をするのも自由だ。
竜二は今、屋敷にいないのだ。
敷地内にはいるとしても、慰霊碑は高大な敷地の隅にあり、戻ってくるまでには時間がある。
その間に――自分は何をしようと思ったのだろう。
確かな映像を見たはずなのに、どうしても思い出せなかった。
渚と手を取り合って屋敷を抜け出そうとでも思っていたのだろうか。
いや、つい瞬刻前にふいに去来したイメージは、もっと陰惨なものだった気がする。
そもそも竜二が屋敷にいないことが重要なのかどうか――。
イメージの中には竜二も登場していたような気がするのだった。
分からなかった。
しかし、身体はやみくもに急いていた。
とにかく、とにかく動かなければならないと。
視界の隅に、モニターの中で激しくもがく渚の姿が飛びこんできた。
渚は白い裸体を波打たせつつ、秘部を穿ったずいきを抜こうと、太腿をよじり合わせて苦悶していた。
口から泡を吹いている。
目を覚ましたのだ。
竜也はふらつく足取りで泳ぐように部屋を飛び出し、地下へと続く階段を駆け下りた。
(つづく)
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