〜堕落妻・律子〜【11】
「あっ、あっ、あっ」
思わず声を出した律子の白い喉が反り、そこに花岡の唇が吸い付いた。
「あれっ、あれっ」
襦袢の前はすでにしどけなく開ききり、形のよい豊かな乳房が電球の光に照らされていた。
「乳首だってほら、上向いちゃって……」
一条が片手の指で小豆をこねる。
「白状しちゃいなよ、ホントは喜んで学生のチンポ咥えてたんだって。旦那の留守に若いエキスを貪ってさ、上の口にも下の口にも精子たっぷり注ぎこんで欲しかったんだって」
「ち、違います……私はそんなことでは……」
律子が耳から胸元までを真っ赤にして高い声を上げた時、からりと襖が開いて男が一人、部屋へ入ってきた。
坊主頭で、眼鏡をかけた陰気な男である。
「失礼いたします」
低い声でそう言って正坐をし、畳に額をつける。
「縄師のNです。早速、ショーを始めさせていただきます」
はい――と振り向いた律子がするりと身体を反転させて立ち上がり、縄師の横に座り直して同じように頭を下げた。
先ほどまでの慌てぶりが?のように消えている。しかしその肉体から滲み出る色気は変わらないどころか、いよいよ脂っこく粘度を増したかに見える。
縄師の急な登場に鼻白んだ様子の一条と花岡だったが、陰気な迫力に圧されてか「あ、ああ。そんじゃ、よろしく頼むわ」と、心持ちばつの悪そうな顔で居ずまいを正した。
先ほどからただ黙ってなりゆきを見ていた事務員風の男は、飲みつけない酒が祟ったのか青白い顔をしているものの、今回は率先して控え目な拍手をしてみせた。
(つづく)
上へ |
カテゴリ一覧へ TOPへ |
■広告出稿お問い合わせ ■広告に関するお問合せ ■ご意見・ご要望 ■プライバシーポリシー ■大洋グループ公式携帯サイト |