〜堕落妻・律子〜【14】
「なんだよこれ、さっきの昔話の続きみてぇなこと言ってんな」
いつの間にか身を乗り出して四つん這いの格好で見ていた一条が花岡を振り返って小声で言う。
「ああ、今日はそのために来たとかってのも見えねぇ……」
「ショーじぇねぇのか? これ」
Nと律子の客を無視したような問答は確かに妙に映った。しかし直接声をかけられるような雰囲気でもない。男たちがヒソヒソしている間にも、律子は逆さに吊り上げられ、両眼を真っ赤に充血させた凄惨な顔を彼らに晒して揺れていた。
その時、皆さん――と、ふいにNが顔を上げて声を響かせた。
「罪とはなんでしょう。この女はなぜ、罰を求めて身を投げ出すのでしょう」
言いざまに鞭を振り上げ、逆さになった律子の太腿を打つ。
「ひいぃぃぃっ」
「お、おい……」
突然話を振られて面食らった花岡が待て待てと言うように手をかざす。しかしNは黙々と打擲を続ける。脚と言わず背と言わず、鋭い破裂音が立て続けに響き、そのたびに律子の身体が跳ね踊った。
「なぜでしょう」
そう言ってさらに鞭を薙ぐ。
律子の白い肌に薄紫色のミミズ腫れが幾筋も浮き上がった。
「誰にも説明できない。本人にも言葉がない。実に哀れな女です。よく見てやって下さい。こんなに涎を垂らして悦んでいます。逆さに吊られて、鞭で打たれて、晒し者になりながら。毎日、この口で若い学生の精子を絞りとった。言われるままに卑猥な下着もつけていた。腕をねじり上げられながら、彼のモノを咥えて、舌を遣った。旦那には内緒で。それまではただの気真面目な主婦だった。貞淑な女だと自分でも思い込んでいた。しかし――」
Nが鞭の先端を律子の秘裂にあてがい、強く押しつけて鞭をしならせる。
「うっ……くうぅぅっ……」
律子の赤い舌が唇を割ってチロチロと顔を覗かせた。
(つづく)
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