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▼ 〜堕落妻・律子〜【6】

〜堕落妻・律子〜【6】


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「置き屋に落ちた恩師の妻(大洋図書)」より
脚本=竹中ハモニ
著者=芽撫純一郎

〜堕落妻・律子〜【6】

ほとほと困り果ててしまったのですけど、生徒さんがおっしゃるには、主人の身体からはタバコとラーメンの匂いがするのに私の肌はいい香りがして、舐めると甘露の味がするんだそうです。背中にぴったりと貼りつかれたまま耳の後ろやら首筋やらを滅茶苦茶に舐め回されまして、ブラウスの中に手を入れられて「やわらかい」だの「メスの匂いがする」だの言われておりますと、いったい何をどう拒否すればいいのやら……。

それはもう「おやめ下さい」と言ってもがくだけではどうにもなりませんしねぇ。私はとうとう壁にぴったりと押し付けられて身動きがとれなくなりまして、両手をこう……上に持ち上げられるような格好で正面を向かされてしまいまして、今度はブラウスの中に頭を入れられて腋の下をベロベロと。その恥ずかしさといったらたとえようもありません。

「ああ、凄いよおばさん、少し剃り残しがありますよ。でも庄田先生の腋とはぜんぜん違う……庄田先生のは臭いんですよ。だけどおばさんの腋は、チクチクするけど優しい臭いだ……」
「お願い……も、もう……」

生徒さんを刺激しないようにと、なるべく平常心を心掛けるのですけれど、力んでおりますからどうしたって息が荒くなってきてしまいます。そうするうちに、彼が鼻でブラジャーを押しのけるようにして、舌を乳首のほうへ伸ばして参りました。

「あぁっ、そこはいけません!」

手で突き放そうにも彼の頭はブラウスの中ですし、下半身同士はぴったり密着させられております。成すすべもないまま舌で乳首をコロコロ転がされたり、甘噛みされたり、チュウチュウ音を立てて吸われたりいたしまして、私といたしましては身も世もないような有り様。少しでも声を出そうものなら喘ぎ声のようにしかなりません。

そこへブラウスの襟首から頭を出した生徒さんが、「僕は女性とキスするのだって初めてなんですよ」と私の目を見て唇を……。

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もし、主人が本当にこんなふうに生徒さんを押さえつけて無理やりにキスをしたり、そればかりかもっと酷いことをしているのだとしたら――そう思いますとなおさら抵抗ができなくなってしまうのでした。

(つづく)


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