告白=小泉博敏(仮名)
【13】マゾ合格
フォークとナイフの触れ合う音が、恭子の体を縮こまらせる。
「お嬢さん、動かないで下さい。動くと、綺麗な肌が切れますよ」
恭子は生きた心地がしなかった。
「まあ、乳首がこんなに括られて……可哀そう。血が滲んでいるわ」
若い女の子の声。そう言いながら乳房に載せてあった刺身に醤油をかけたから堪まらない。
「あっ」
恭子は飛び上がらんばかりに痛がった。醤油が焼きつくように乳首の擦り傷に泌み込んでいく。
「あら、そんなに痛かった。ごめんなさい。あなたも、おあがりなさいな」
痛がって歪めているロへ、醤油とわさびをたっぷりつけた刺身が押し込められた。
それを機会に、いろいろなもの、いろいろな味が恭子の口の中に押し込まれ、呑み込まされた。
中には、恭子の秘部でこねくりまわして愛液を塗りたくったものや、中年女の膣へ一度入れたものを食べさせられたりした。
勿論、飲み物も……ネクター類、ビール、ウイスキー。
「上ばかりじゃなくて、下の口にも飲ませたら」
誰かの提案で、スベスベツルツルの丘に、ウイスキーがこぼされた。琥珀色の液体は陰唇を通って、秘肉の中へ泌み込んでいく。
「あああっ」
恭子の絶叫である。
「ひどい。ひどいわ」
秘肉から溢れたウイスキーは菊門に至り、鋭く肛門を浸蝕していく。
「ぎえっ」
何ともすさまじい悲鳴をあげて恭子は身もだえた。この、アルコールが浸み込んでいく苦痛は経験者でなければ判るまい。そして、引きつづいて訪れる激しい快感も経験した者はよく知っている。
今、恭子は、苦痛から快感へ移行する段階の、じんわりとした心地よさを、じっと目をつむって味わっている。
SMクラブでの恭子苛めは、こんな調子で、いつ果てることもなく続いた。
食事の後、踊ったりもしたが、誰一人、恭子のいましめを解いてくれる者は居なかった。従って、恭子は相変らず後手に縛られ、乳房を締め上げられ、前後の穴に詰め物をされている姿で、主役としてSMマニアからの恥ずかしく淫らなサービスを受けた訳である。
日付けが変わる頃、ボクたちは帰ってきた。恭子の、長い“散歩"は終わった。
縛めを解き、埋めてある物を抜いた途端、恭子はボクの目の前で失禁した。
そう言えば、十時間以上も放尿していないところへ、ビールやらウイスキーを飲まされて、溜まりに溜まっていたのであろう。気の強い彼女はじっとそれを辛抱していたが、長い間の拘束を解かれた精神的弛緩から、思わず、放尿してしまったのであろう。
ボクは、慰労の気持ちもあって、恭子の前も後ろも洗ってやってから、彼女の自宅まで車で送ってやると言った。しかし彼女は首を横に振って帰ろうとしない。
恭子は泊まった。
今日一日、身も心も疲れ果てた彼女に対して、ボクは、SM抜きで心から奉仕した。彼女は、声を上げて、愉悦にむせび泣いた。
それにしても、毛のない女性器とは特別の味がするものだ。ノーマルなセックスをしてみてそれが判った。
ボクはあくる朝、つくづくと思った。
――やっぱり、ツルツルスベスベっていうのはいいもんだなぁ。
そして、恭子は約束した。
「もう、自分では剃りません。これから先生に剃ってもらいます」
どうやら恭子は、職業意識でもない、演出でもない、ほんとうのマゾヒストになったようである。
(了)
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