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▼ 読者体験告白「一度だけのアバンチュール」【2】

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投稿者=良田博美(仮名)


夫に言えない性癖――。鬱積した欲求不満は、ある日、人妻を危険な行動に駆り立てる。初対面の男に熟れた肉体を差し出し、マゾの悦びに溺れていく淫婦の長い1日は、彼女に何をもたらしたのか。『S&Mスナイパー』1982年7月号に掲載された読者告白手記を、再編集の上で全8回に分けてお届けしています。


【2】漏れ出し始めた変態性癖

小さい頃から養父母の言うとおりの道を、鞭に脅えながら馬のように調教されてきた私。日本舞踊、ピアノ、お習字と、私はそんな答のなかで一生懸命だった。

小学校6年の折、もっとも寒い冬の夜、参観日で学校に来た養母が、引っ込み思案の私が先生の質問に手をあげなかったことを怒って、私の衣服をはぎとり裸にして正座させ、冷たい水を頭から浴びせた。

3時間ほども正座させられたままでいた私は、なにかしら身体の内から、今まで感じたこともない興奮のようなものが自分をつきぬけてゆくのがわかった。

それは本当に恐いものだった。本当に興奮だろうか。これを何と呼べばよいのか。父母の顔も知らない自分、誰にも甘えられなかった私。すべてのものに耐えて、それを乗り越えてゆかねば生きられなかった幼い私の魂。

なぐられたり蹴られたりしているうちに、突然訪れてきた私の身体の変化。私は、自分がそういう喜びを感じる者であることを認めないわけにはいかなかったが、世間の人にはひた隠しにして生きてきた。優等生の私は誰からも後指をさされることはなかった。

今、39歳。結婚しても、表面的な愛しか感じなかった。淋しい私は、まるで孤独な太陽のように、「私はさびしい」と大声で叫ぶことができなかった。太陽は言葉が話せない。太陽はいつもひとりぽっち。

(続く)


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