満月の夜の吊り責め【4】
前編 贅沢な思い-4
足首が上がってゆくにつれ、髪は地面のほうへと乗れ下がって、一層凄惨な姿になってゆきました。逆さ吊りにされた白い女体は、高子小手に縛られた手首を中心にその白い背中を見せていましたが、ゆるやかに回っていって、荒い喘ぎの息をつたえてきました。
私は淡い月の光の下で、この吊り責めを見ながら楽しみました。そして岩の根に腰をおろして、一服つけました。またポケットから小さなビンのウイスキーを出して、ちびりちびりと楽しみながら飲りした。何というぜいたくな酒盛りでしょう。何という立派な見せ物でしょう。月光のもと一人たのしむには、何とも贅沢な思いで一ぱいでした。
あまり長い時間にわたって逆さ吊りにしておきますと、失神に近い状態になり苦しさが、少し薄らいでくるもののようです。そこで私は吊り直すことにしました。こんどは足首を吊り上げている縄をゆるめていって、正座した姿のように吊ってやることにしたのです。
細い長い髪が裸の肩と乳房にかかってきて、あわれにも猿轡でゆがめられた顔は、ほとんどその髪の毛にかくされて見えなくなってゆきました。一時間ぐらいも、そのままの姿に吊り上げておきましたら、荒い息遣いも呻き声も何の音も聞こえてこなくなりました。痛さに馴れてきたためでしょうか。それとも責めの苦しさの分量が減ってきているのでしょうか。
(続く)
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