満月の夜の吊り責め【5】
前編 贅沢な思い-5
私は細い皮紐を何本も束にして作った鞭で尻の肉を叩いてやりました。
(ビシッ、ビシッ)
大きく滑車が揺れて、猿轡におしつぶされた低い呻き声が、わけのわからない音となって、月光の林の中に流れてゆきました。後手姿の白い物体は、またもゆっくりと回りながら皮鞭をうけて苦しみ、呻き続けてゆくのです。
胸をくっきりと締め上げた黒い綿ロープ、その細い腰から吊られた足首の皮具。ゆっくりと回ってくるその姿を見ていますと、横からは髪の垂れ下がっている白い肩と、二の腕に噛んでみえる縄目が見えます。やがてもっと回ってゆきますと、後ろ高く背中の上のほうに吊り上げられた、両方の手首、首筋に喰いこんだ綿ロープなど……、次々と恐ろしい責めの状況が、順ぐりに見えてくるのです。このようにぐるぐる回っていって、次々と哀れな姿態が、この静かな山の中で青い月光に照らされて展開してゆき、私の酒の肴になっていくのです。何という地獄。何という快感。
このゆるやかな回転が止まりかけますと、またしてもあの皮鞭が、するどい音をたてて飛ぶのです。
(ビシッ! ビシッ!)
咽喉の奥のほうで鳴っているのでしょうか。
「ヒイー、七イ……」
というような音がし、そのあーとで「ウムゥ……」という音に変わってゆき、低く重く呻いてゆくのです。
(続く)
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