満月の夜の吊り責め【7】
後編 夜明け前-2
咽喉の音がはげしいので猿轡だけは外してやりましたところ、
「ゆるして……」
「もう許して下さい……」
と、玲子は後手縛りの姿のままの、不自由な体を揺らせて言うのでした。もう夜中の寒さも何も感じないのでしょうけれども、肩に触れてみますと氷のように冷え切っていました。
私はとりあえず前手錠の姿に直してやり、鎖をかけてゴム引き布のマントを羽織らせてやりました。
ごく薄く刷毛ではいたような雲が、月面を音もなく流れてゆきました。林の切れ目の小さな木立ちに見えかくれして、山の小径脇にある小さな地蔵さんを照らし出していました。
岩の上に正座させられた手錠姿の玲子は、にぶい月の光にゴム引き布をぶるぶると震わせて、寒さに耐えているような有様でした。
玲子は皮とかゴムやビニール、ゴム引き布のような防水性で通気性のないものが直接肌にふれる感触が、たまらなく好きなようです。このことは口に出しては言いませんけれど、この種のフェチになってきていることは間違いない事実のようです。縄や鎖での責めの味は、長い教育の期間耐えてきて、今ではかなりの強烈な責めにも何とかついて来るようになっています。
私は月に一度ぐらいは野外での責めや、責め場面の写真のロケなどに縄付きの姿のままで連れ出し、手錠姿のままで昼間歩かせたりもするのです。
(続く)
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