満月の夜の吊り責め【8】
後編 夜明け前-3
月の光の下、こんな思い出に酔っていましたが、じっとしていると寒いようなので、岩室(いわむろ)にとじこめる、次の責めに場所を移動することにしました。やはり裸足のままで、全裸のまま前手錠の姿で歩かせることにします。
ちょうど玲子が座って入れるかどうかぐらいの大きさの岩室があり、以前なにかの仏さまがまつられていたと思われるところです。
ところが今では、誰かに石仏か何かが持ち去られ、単なる岩室となっているのです。その前の広いところで後手姿に縛り直してから、その体をかかえ上げて岩室の中へ入れてやりました。ちょうど正座して、頭の先端が天井に一ぱいの箱のように見えます。
前向きの姿、横向きの縄姿、つぎは後手首に縄の充分見えるように、などと順ぐりに写真を撮ってゆきますが、何しろ岩の荒れ床の上に裸のままの姿ですから、玲子は痛さに耐えられず姿勢の変更を命じられるたびに、猿轡の下から呻き声を洩らして必死に耐えているようでした。
木々の間から見えかくれしていた街の灯もめっきりとその数が減ってきて、もうほとんどの人々は深いねむりに入っているのでしょうか。静かというよりも、むしろ幽すいな感じさえするこの山の中にも、さらに一層、月が冴えてきて寒さもひとしお加わってきたようです。
(続く)
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