告白=栗栖宏二仮名)
母を犯せ
「お前のおふくろだって、抱いて欲しいと思ってるんだ」
ねっとりした男の唇が、耳たぶの辺りをくすぐった。
「お前が、思いをとげさせてやるんだ」
男は、今度は少し強い口調でいった。さすがにぼくはたじろぎ、頭を激しく横にふり、母から顔そむけようとした。母は唇を噛みしめ、男をきっと睨みかえすようにした。
しかし、ぼくから離れた男の片手が、下半身に伸び、繊毛をよりわけ、深く谷間をえぐりはじめると、母の表情は、再び痴呆のそれに近いものとなっていった。
深紅色の秘丘が男の指にもてあそばれ、激しくうねるのを、ぼくははっきりと見てとった。
「お前のおふくろがこんなに頼んでいるのに、お前は言うことをきいてやらないのか」
ぼくは、母の淫らに揺れる太股、下腹、男の指を深くくわえこむその部分から、どうしても眼をそらせずにいた。しかし、その時のぼくにも、さすがにわずかな理性は残っていたようだ。
しなだれた下腹の一物に血が流れ込み、母の裸身を前にして、完全に欲情がむきだしそうになるのを必死にこらえ、太い縄を断ち切るように、ぼくは視線を母の下腹からひき離した。
その時、不意に男の平手がぼくの頬を強く打った。落雷のような衝撃が、ぼくの全身を打ち震えさせた。
「目をそらすな」
男は、血走った目をさらにぎらぎら輝かせてぼくをにらみすえた。ぼくは頭がぼっとして、しばらくは棒立ちのまま母と男をぼんやりと見返していた。
(続く)
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