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▼ 読者投稿弄虐小説 「撮られた双つ花」【12】
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作=羽鳥止愁


N女子大学文学部教授、真鍋隆博、51歳。毎年、彼の元には単位欲しさにふしだらな取り引きを要求してくる女子学生が複数人やってくる。秘めたサディズムを胸に燃やして危険なコレクションを増やす初老の教授の、エスカレートしていく行為とは……。『S&Mスナイパー』1981年2月号に掲載された力作投稿小説を、再編集の上で全15回に分けてお届けしています。


【12】

手錠を外し、足首と肘掛けとを結ぶ紐を解いてやった。

朱美は椅子にうずくまり、激しくかぶりを振った。チャラチャラと鎖が鳴った。

「先生、お願いです。こんな非道いことはしないで。鎖を取ってあげて」
「それはまだ駄目だ。その犬は兇暴性があるからね。馴らさなくちゃだめなんだ。後ろ手錠もそのままだ。それより、早く、トイレにつれていってやってくれんかね。そのドアだから」

と、トイレのドアを指差し、真鍋は続けた。

「朱美君に食い込んでいるアヌス栓を見たろう。それを抜いてやってくれないか。もちろんトイレの中でね。こんな所で抜かれたら、ほんとに、粗相しかねないからね」
「朱美さん、しっかりして、大丈夫? 歩ける?」
「ゆかりさん、口惜しいわ。私、くやしいわ。うう……」
「さあ。つれていってあげる。早く」

ゆかりに支えられ、朱美は立った。へっぴり腰で、下腹を突っ張らないように歩いた。ゆかりはそんな朱美の身体を両手で抱えて、鎖を上げてやった。

トイレのドアを開けて二人はびっくりした。立ちすくんでしまった。

煌々と輝く明かり。広いスペース。しかも便器は立った二人の眼の高さにあった。それも透明のガラス製だ。前面の壁には一面に鏡が張り詰めてあった。

「こ、こんな……」

朱美は唇を噛んだ。しかし、もう限界をはるかに越えている。

しかたがないわ朱美さん、という、ゆかりに促され、階段を登った。その階段もガラス製だった。朱美は便器を跨いだ。

「いい?」
「ええ、ごめん、恥ずかしいわ。見ないでね、眼をつぶっていて」
「大丈夫、見ないから」
「ああ……」

アヌス栓が抜かれた。朱美は座り込んだ。間髪を入れず、激しい選出が便器の底を叩いた。自分も目をつぶり、ゆかりも見ないでいてくれるであろうが、その音はどうしようもなかった。そして立ちこめてくる臭気。

キリキリと胸を締め付けながら、朱美はしかし、解放された排便の快さに酔っていた。我慢に我慢を重ねてきた排泄は、快美感さえ植えつけた。

しかし、透明のガラス製の便器は、すぐに朱美を羞辱の現実に引き戻した。
(続く)


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