私は多情な悦虐人形 第1回
私は多情な悦虐人形 第1回
田上さんは私のお尻の方から手を差入れて秘所をまさぐるのです。
●命令してください
女の私がこの雑誌の愛読者だなんていったらおかしいでしょうか……。
もし、男性のように読むだけのたのしみで買うのだったら、女として少しおかしいかもしれない
けど、私がSMに目覚めたのは、雑誌の影響じゃなくて、実際の体験のほうが先だったんですから
、自分では少しも変だとは思わないんです……。
この世界で使われているいろいろなむずかしい言葉の意味はよくは知らないけど、私は、マゾヒスト
っていうことになるのかしら……。
でも、私、自分ではこのマゾヒストっていう言葉にとても抵抗を感じるんです。
だって、私にあるのは、ただ、男の人にかわいがられたい、っていう気持だけなんですもの……。
自分から愛を告白したり、男の人を求めたり、っていうことが私にはできないんです。
私を好きになってくれた男の人にだけ、私は愛を感じるんです。
自分の意志で男の人を選ぶなんていうだいそれたこと、私にはできません。
そうして、私は、私を好きになってくれた男の人の行為は、全て、受け入れてしまうんです。
それが私には歓びなんです。
私にもきっと男の人に対する好みっていうものもあるんでしょうけど、不思議なことに、私を好
きになってくれた男の人を今まで一度もイヤだなんて思ったことはありまぜん。
今から考えると、私のこの受け身的な性格に響きあう男の人
っていうのが、それほどいない、っていうことだったのかも知れませんね……。
初めての体験は、私が十七歳のときでした。
高校でテニス部の顧問をしていた二十七歳の先生でした。
スポーツマンらしくよく陽に焼けた、明るくてたくましい先生でした。
先生に命じられたままテニス部の部室に居残っていたとき求められて、私は処女をささげたのです。
先生はその場で私に結婚を申し込んでくれました。
でも、結局はうまくいきませんでした。
先生は私の意志を尊重してくれました。
ところが、その先生のやさしさが私たちの破局の原因になったのだから、皮肉なものです。
何をするにしても先生は私に同意を求めたり、相談をしたり……。
でも、私はいつも生返事ばかり。
だって、私は、
「こうしろッ!」
って言われれば、その言葉によろこんで従うのに。
自分でいろいろなことを決める、っていうことか私にはできないんですもの……。
そのうち先生は、私が先生を愛していないんじゃないか、って思い始めたらしいんです。
そして、アッと言う間に先生は私から離れて行ってしまったんです。
とてもさみしかったけど、私は先生を追いかけることかできなかった。
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