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▼ 読者投稿弄虐小説 「撮られた双つ花」【4】
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作=羽鳥止愁


N女子大学文学部教授、真鍋隆博、51歳。毎年、彼の元には単位欲しさにふしだらな取り引きを要求してくる女子学生が複数人やってくる。秘めたサディズムを胸に燃やして危険なコレクションを増やす初老の教授の、エスカレートしていく行為とは……。『S&Mスナイパー』1981年2月号に掲載された力作投稿小説を、再編集の上で全15回に分けてお届けしています。


【4】

「これで三十点だ、朱美くん。あと四十点、どんな答案を出すか楽しみだな」
「問題によりますわね。先生。私の答案の出し方は」

必死の抵抗か。自分への気力の鼓舞か。朱美は乾く唇で真鍋に対した。

「楽しみだね。じゃ、こちらも練った問題を考えよう」

小刻みに震えている朱美の後ろ姿を見ながら、真鍋はたばこに火をつけた。

「セックスにおける牝大の地位、嗜好度を、SM風に述べよ。というのはどうかね。SMって言葉、もちろん知っているだろう?」
「変態のことですわね」
「フフ、変態か。人間は皆変態さ。それを表の生活に出すか出さないかだ sとMなんて誰でも持っている。君だってさ、朱美君。もっとも、君の場合はsのほうが強いようだね。Sの女王様って感じだね、君の性格、雰囲気からだとね」
「お生憎さま、私にはそんな趣味はございませんわ、先生。どなたかと違って」
「sの似合う君に、今日はMの感覚を味わわせてあげよう。いずれ君がSの女王として君臨するときの参考にね」

(何をしようってのさ、助平じじい。どうにでもしやがれ)

「さて、それじゃ、これから牝犬朱美の忠誠心を見せてもらおうか。四十点の答案を出せるかどうか。君はわたしに飼われた牝犬だからね。ハッハハハ」

(何を勝手なことを、クソじじい)

「それじゃ、まずそこで四つん這いだ。尻振って媚を売ってみたまえ」

(チクショウ。変なことを。どうする、朱美……私にそんなことができる……?)

「どうしたんだね。帰るかね。三十点はあげるよ。白紙の答案で三十点もらえれば御の字だろう」

朱美は膝を折った。両手を着き、真鍋には見せられない口惜し涙を滲ませた。煌々と輝く明かりの下、四つん這いの痴態には、最早、自分の羞恥は、後ろから覗く真鍋にはあからさまであろう。


(続く)


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