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▼ 読者投稿弄虐小説 「撮られた双つ花」【6】
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作=羽鳥止愁


N女子大学文学部教授、真鍋隆博、51歳。毎年、彼の元には単位欲しさにふしだらな取り引きを要求してくる女子学生が複数人やってくる。秘めたサディズムを胸に燃やして危険なコレクションを増やす初老の教授の、エスカレートしていく行為とは……。『S&Mスナイパー』1981年2月号に掲載された力作投稿小説を、再編集の上で全15回に分けてお届けしています。


【6】

「よし、下りてこっちへ来い。これを付けるんだ」

鎖に繋がった犬の首輪をデスクの前に垂らした。モニターにはぼやけた鎖の向こう側に四つん這いの朱美が映っている。刺激的な構図だ。

口惜しそうに朱美の顔がのけ反っている。真鍋に対する侮蔑のいろをはっきりとあらわしていた。

せめてもの抵抗であろう。そんなことはどこ吹く風と、真鍋はチャラチャラと鎖をチラつかせた。

「ほんとに変熊なのね、先生」
「おや、犬が人間の口をきくのかね」
「フン、変態じじい」

朱美はその鎖を荒っぽくたぐりよせた。

「これを付ければいいのね。付けてやるよ。これで先生、何点下さいますの?」
「そうだね。十点あげよう。それでは何点になるかね」
「四十点ですわ」
「あと三十点……」

首輪を付け、朱美は犬のおすわりのように座った。いかつい首輪は、華奢な朱美の首に痛々しかった。もっとも、それが真鍋には快い刺激になるのだ。

鎖は真鍋がしっかりと握っている。三メートルはあろう、長い鎖だった。かなり重い。

「よし、椅子に座って、両脚を肘掛けに載せて牝大のオナニーといこう」
「なんですって……!」

信じられないというように、驚愕の表情を真鍋に向けた。

「濡れて、気をやったら、二十点やろう。どうだね」
「いやよ、そんな」
「それが嫌なら、排尿と排便を見せるかね。どっちかだ」
「そんな。いやよ。あんまりよ、ひどいわ。ひどすぎるわ」
「sの女王様にもなろうって君が泣きを見せるのかね。経験はあるんだろう。淋しい夜なんか、ひとり慰めるんだろう。それとも何かい、男がいつでも用足せるのかね」
「あんまりです。いや。もういや。嫌ッ」

さすがに、二十歳そこそこの娘に、この経験は異常であった。鎖に繋がれ、犬のように堕としめられ、しかも、オナニーをしてみせろという。朱美には最初の威勢のよさは微塵もなかった。もう、帰りたいと思った。単位なんかいらない。

「先生、もういや。帰ります。もういやよッ」
「もう少しじゃないか、朱美君。オナニーしてみせりゃ、あと十点、もう終わったようなもんだ。それで卒業できるんだよ」
「そんなものいらない。もうイヤー」

感情的に朱美はわめきたてた。首輪を外そうとしている。
真鍋はカメラのスイッチを切り、デスクを離れた。

「いまさら、もうだめだよ。最後までやりなさい。そんなに難しい問題でもないだろう。途中で投げだすから君は駄目なんだ」
「いやよッ。やめて――」

真鍋は朱美の両手を背中に絞り上げ、後ろ手錠を掛けてしまった。

(続く)


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