投稿者=匿名希望
【1】淑女が抱えた痔の悩み
職業柄、女性の裸体は見慣れている私が、このような事態な陥ったのは理由があります。
痔です。
私も文子さんも、痔だったのです。
私自身が痔でしたので、痔を患っている方は大体わかります。普段、私は番台に座ってテレビを観たりしているのですが、初めて文子さんが入ってこられた時、どうも様子がおかしいのでそれとなく注意しておりますと、お尻のあたりをしきりに気にしています。それで、私にも憶えがあるので、これは痔だなとわかったわけです。一度わかると、同病のよしみか、妙に気になって毎回注意して見るようになってしまいました。
かわいそうに、あんなに若い子が……。
初めのうち、私は文子さんのことを20歳そこそこの学生だとばかり思っていました。ところが、これは後でわかったことですが、実はもう30歳近い人妻だということで、私は自分自身の目を疑ってしまうほど驚いたものです。
文子さんの真白い肌にはキズ一つありません。しかも釣鐘型の乳房は隆々と天を仰いでいるのです。しげみは薄く、品のあるツルリとした美貌と相俟って、全体としては少女のような印象すらあったのでした。
文子さんが初めてうちを訪れてから1カ月ほどが経ったある日のこと、私たちの間に初めての接触がありました。
「ごめんなさい。お風呂、よごしちゃったわ」
帰り際、文子さんがそう言って番台にいる私に向かって舌を出したのです。その恥ずかしそうな顔に、私は居ても立ってもいられなくなり、「いいですよ、お嬢さん。気にせず早く治すことです」と、言わなくてもいいことを言ってしまいました。
「まあ、お嬢さんだなんて……。私、もうすぐ30歳になる主婦なんですのよ」
文子さんはそう言って聞き流そうとしてくれましたが、私の口は止まりませんでした。
「実は、私も同病でね。なかなか治らないもんですね。あれ」
「まあ、そうでしたの……」
急に文子さんの顔が明るくなったのがよくわかりました。
(続く)
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