されど俺の日々【10】
されど俺の日々【10】
次々と凶悪な犯罪を繰り返す正太の犯罪者的性格は中学の頃から如実に現れていた。
●犯罪の匂い
正太は一週間ほど次郎のマンションに居候をし、故郷の町に戻った。
戻った理由は新たなる仕事を開始するための準備であった。
次郎は再び手形パクリの仕事を始めようとしていた。
そのためには当然、犠牲者となる手形所持人あるいは手形振出入の存在が必要となる。
次郎が正太に依頼したことは正太の町で資金繰りに困っている会社はないかどうか調べて欲しいということであった。
次郎は正太からの報告があり次第現地に乗り込み、得意の口舌を稼働させて手形をパクッてしまうという段取りになっていたのである。
次郎の命を受けた正太は一路故郷に向かう。
当面の軍資金として、正太は次郎から相当の金を受け取っていた。
次郎の女は、バーかクラブのホステスをしており、彼にどうやら生活費を貢いでいるようだったから、本来の金の出所は、そのホステスということになろうが、正太にとってはそんなものはどうでもよいことであった。
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