殺意の原点【11】
殺意の原点【11】
棄てられていた若い女性のバラバラ死体は、性器を抉り取られていた……。
●結婚の約束
育枝との関係が半年ほど続いた頃、流石に私も彼女との交渉に疲れを感じるようになりました。
信じていただけないかも知れませんが、私は彼女と一日中ベッドに入って、六回も気を遣ったことがあったのです。
そんな時、私の田舎の方から見合いの話が来ました。
相手の女性はその年に大学を卒朶したばかりの人で、父親は土建会社の社長をしており、県会議員もしている人でした。
私はあまり乗り気ではありませんでしたが、暫く田舎に帰っていないことでもあり、骨休みを兼ねて約一カ月ほど東京を留守にしました。
見合いの相手にはあまり興味は持ちませんでしたか、父親はかなりの資産家であり、自分にはもうその気はないが、もし私が政治家を目指し、行く行くは国会議員にでも立候補するつもりなら応援してやっても良いというようなことを言われまして、私は大分気持ちを揺さぶられました。
結周、私はその女性と結婚することにしました。
式は約一年後ということまで決めました。
いざ結婚の決意を固めますと、相手の女性が自分の理想の女性のように見えてくるから不思議でした。
私にもまだ良心がわずかばかり残っていて、結婚するのは相手の財産が目当てではない、女に魅力を感じたからだと、無理矢理にでも思わなければやり切れないということだったのでしょう。
しかし結婚することを決めても、そのためには大問題が残っていました。
育枝とは結婚の約束などした覚えはありませんが、半年ほど同棲してきた女であり、又、その肉体に未練は十分ありました。
まああと一年間ほど上手につき合って、適当に処理しよう、そんな気持ちで再び東京に戻ってきたのでした。
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