殺意の原点【13】
殺意の原点【13】
棄てられていた若い女性のバラバラ死体は、性器を抉り取られていた……。
●都合の良い真実
しかし、私は甘かったのです。
どうやら育枝は本気で私との結婚―法律的な意味ではないにしても―を考えていたのです。
ですから私が別れ話をもち出し、他の女との結婚をほのめかすと、激怒し、気狂いのようになってしまいました。
私が彼女を殺してしまったのは偶然からなのです。
これは本当です。
私達はその頃、セックスする時に、彼女の首を締めてする味を覚えてしまっていたのです。
首を締め、彼女が呼吸が苦しくなり、やがて酸素不足から意識が朦朧としてくるにつれて、あそこの肉がひくひくという感じで私のものに絡みつき、締めあげてくるのです。
あの感じは経験したものでないとわかりません。
その日も私は、あの絡みついてくる感じを味わおうと、腰を浮かしながら彼女の首を締めたのです。
いつになく微妙な感触でした。
磯巾着に指でも入れればあんな感触なのではないでしょうか。
私が気を遣った後、ぐったりとして横になっておりますと、どうも彼女の様子が変なのです。
声も出しませんし、全く体を動かしません。
不審に思い体を揺すってみても反応がありません。
死んでしまっていたのです。
この時の私の受けた衝撃は言葉では言い表わせません。
しばらく茫然とした後、私の考えたことは、自分の将来のことでした。
このままにしても私のことはいずれわかってしまうでしょう。
いっそ死体を始末してしまえ、そうすれば誰にもこのことはわからずに済ませられる。
そう考えて、私は彼女の体をバラバラにし、ビニール袋に包み江戸川の川原に埋めたのです。
何故、性器を切り取ったのかということですが、私自身もよくわかりません。
きっとそこに育枝の魂が潜んでいると思ったからでしょう。
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