されど俺の日々【14】
されど俺の日々【14】
次々と凶悪な犯罪を繰り返す正太の犯罪者的性格は中学の頃から如実に現れていた。
●襲撃
ニッサンローレル二〇〇〇CCのドアがいきなり開けられ、人相の悪い男が酒臭い息を吐き出しながら、強引に座席に割り込んだ。
「おい、お前ら、お楽しみじゃないか。ええ、こんな若いのに気分出しやがってよお、俺にも手伝わせてもらおうか」
驚いたのは二人である。
人目が無いものとばかり思っていたのに、どうやら先ほど以来二人の行為は覗かれていたらしい。
「あ、あなたは誰です、失礼な」
「何を!このチンピラ学生め、こんな若い娘さんをたぶらかしやがって」
「た、たぶらかすとは何事ですか。僕らは愛し合っているのです。冗談を言わないで下さい」
「何を!」
男はいきなりズボンのポケットからジャックナイフを取り出した。
鋭い刃が夜間照明燈の光を反射させていた。
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