魂の暗部を狙撃するSM情報ポータル SMスナイパー
▼ 闇の中の魑魅魍魎【14】

闇の中の魑魅魍魎【14】


yami_title.gif
文=法野巌
イラスト=兼田明子

闇の中の魑魅魍魎【14】

身を挺して子供を守るべき両親は意外な行動をとった。

●両親の選択

誠子が初めて男に体を弄ばされた日、誠子は二階の自分の部屋で一晩中泣き通しだった。
何故私がこんな目に会わなければならないのだろう。
最も嫌いな男に体を蹂躙されたのだ。
その日、親が帰宅したのは、男が帰って一時間もした頃であった。
今まで、夫婦そろって外出する習慣などなかった二人が、妹をつれて、夜の八時頃帰ってきたのだった。
だが、この日は、誠子は、両親の外出の意味を深く考えはしなかった。
男の来訪と、両親の外出との間には何の関連もないだろう。
両親がいなかったところへ偶然男が来たのに過ぎない。
そう誠子は考えた。

その夜、二階の自室の中で、誠子は何故、男の攻撃に対しすべてをかけて抵抗しなかったのかと自問した。
答えは自分でも明確にはわからなかった。
あの冷たい目のせいかも知れなかった。
あの目に射すくめられると、通常有している常識とか、行動とかが吹き飛んでしまうような気になる。
意思というものを根こそぎ奪われてしまう。
意思も気力も奪われて、どうして抵抗できるだろうか。


《次へ 一覧 前へ》
上へue.gif


yoko.gifカテゴリ一覧へ
yoko.gifTOPへ
広告出稿お問い合わせ
広告に関するお問合せ
ご意見・ご要望
プライバシーポリシー
大洋グループ公式携帯サイト
COPYRIGHT(C)2008
WaileaPublishing