ハングリー国家 日本の悲劇【11】
ハングリー国家 日本の悲劇【11】
強姦未遂事件を起こした少年には母親との不倫の関係があった。
●少年の告白
これは母にとっては相当ショックの様でした。
人一倍プライドが高かっただけに、父が自分を捨てて他の女の所に行ってしまったという現実を
認めることは出来なかったのでしょう。
二〜三週間は、何も言わず、一人で黙って坐っている毎日が続きました。
しかし、いつまでもこのままの状態を続けているわけには行かないと考えたのでしょう。
もともと気の強い性格ですから、あれこれと仕事を見つけるために動き出し、知人からの勧め
で、今の商売を始めたのです。
水商売に向いていたのでしょうか、次第に固定客もつき、収入も増えて母はみちがえるほど生
き生きとしてきました。
母と僕と二人きりの生活も何とか平穏無事に過ぎて行ったのです。
母は、一応生活の方が安定した頃から、僕の学校での成績を非常に気にするようになりました
。
父が母を捨てて行ってしまった後、僕に対して期待する気持ちが毎日毎日脹らんでいったのだ
と思います。
その僕に期待する気持ちが僕の成績の上下に向けられてきたのでしょう。
僕の方も、その頃は、母から期待されている気持ちを感じることは決して不愉快なものではあ
りませんでした。
女遊びが過ぎて母に愛想をつかされ、いたたまれずに家を出ていってしまった許すことの出来
ない男という目で父を見ていました。
だから、母を安心させ、喜ばせることこそが、父に対する復讐であり、母を助けることだとい
う気持ちでいっぱいだったのです。
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