ハングリー国家 日本の悲劇【13】
ハングリー国家 日本の悲劇【13】
強姦未遂事件を起こした少年には母親との不倫の関係があった。
●少年の告白
日本に帰り、高校に通うようになって、又以前の母と二人の静かな生活が始まりました。
母は僕が高校生になった頃から、僕に対する要求が更に一段とアップしてきました。
僕の顔を見るたびに、
「巨は絶対T大に入るのよ。一生懸命勉強しなさい。外のことは何も考えなくて良いわ。お母さんが全部引き受けるから」
というようなことを言うのです。
僕も、母の気持ちは、先にも言いましたように痛いほどわかりますから、母のためにも頑張らなくてはと思っていたのですが、顔を会わせるたびに言われますと、いい加減うんざりしてしまいます。
最初の頃こそ、
「ああ」
とか、
「うん」
とか返事をしていましたが、次第にそれすらも面倒になり、母と顔を会わせることを避けるようになりました。
それでも母の期待を裏切るまいという気持ちは強く、学校での成績もまあまあといった所でした。
学校の方の勉強も一応は続けていたのですが、僕はその頃、自慰を覚えていたのです。
高校一年になって覚えるのは遅いと思われるかも知れませんが、父母の離婚を見たり母が水商売をしていたりということが、逆に僕の性に対する興味を抑えつけるといった方向に作用していたのだと思います。
それと父が去って以来、母を哀れに思い、母に喜ばれる子供でありたいという気持ちで毎日を送ってきたわけですから、性について関心を持つことは後ろめたいという心の動きがあったのだと思います。
でも、母とのハワイ旅行以来、僕の心の中で何か変化が生じたのです。
母が僕を抱いて寝てくれた時、僕の性器はエレクトしてしまったのです。
母はそれを感づいている様子でした。
その時は、それ以上のことはなかったのです。
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