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▼ ハングリー国家 日本の悲劇【14】

ハングリー国家 日本の悲劇【14】


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文=法野巌
イラスト=笹沼傑嗣

ハングリー国家 日本の悲劇【14】

強姦未遂事件を起こした少年には母親との不倫の関係があった。

●禁断の快楽

日本に帰ってきて以来、僕は、女の人の裸に異常に興味を持つようになりました。
これが他の女の人の裸に対するものであれば別にどうということもなかったのでしょうが、僕の場合、母に対する欲望が異常なくらい昂まっていったのです。
あのハワイで母の水着姿を見て以来のことだと思うのです。
母の水着姿を見たのはあの時が初めてでした。
母はまだ四〇歳になっていません。
とっても素敵でした。
そして母の水着姿を思い浮かべ、あっと息を飲むくらい白かった彼女の太腿を思い出し、水着に隠されたデルタ地帯を想像し、僕は自慰にふけるようになってしまったのです。

あれは忘れもしません、夏休みになって最初の週のことでした。
僕は暑苦しくてなかなか寝つけず、起き出してシャワーを浴び、それからベッドに横になり、最初の自慰を完了しました。
それから又、シャワーを浴び、それでも寝つくことが出来ず、再度の行為を開始しました。
その時、母が帰ってきて、僕の部屋の中を見たのです。
僕はベッドに横になって右手を下腹部に伸ばし、手を動かしている最中でした。
もちろん母が帰ってきたのはわかっていたのです。
又、母はいつも帰ってくると休む前に僕の部屋の扉を開けて、寝ているかどうかを確かめることは知っていました。
しかし、それは、いつも母が化粧を落とし、パジャマに着換えてからのことだったのです。
その日ばかりは、どういうわけかその手順を母は守らず、いきなり僕の部屋を開けたのです。
僕は全く意表をつかれた形になってしまい、自慰の場面をどうとりつくろって良いやらわからず、すっかりあわててしまったのです。
母はそんな僕のことをしばらく見つめていましたが、事の成り行きを理解したのでしょう、部屋に入ってきて、こういったのです。

「巨君も大人になったのね」

そして僕の所に近づいてきて、何を思ったのでしょうか、服を脱ぎ始めたのです。


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