晒された秘部 第1回【1】
晒された秘部 第1回【1】
男の目の前で白い裸身が顫え、秘唇が引き裂かれる……。
●不意の暴漢
昭和35年12月16日、中国地方の有力都市を主たる拠点にしている地方新聞の一面に、35歳の男が首吊り自殺をした旨の記事が載った。原因は病弱な体を苦にしてとのことであった。紙面を占めるスペースの小さなことがその記事の重み、新聞社における取り扱いの程度を示していた。地方新聞なのだから地方で起こったことは一応記事にしておこう、そんな気持ちで事件記者が書いたと思われる型通りの文章であった。
死んだ男の名は等々力一平、年齢は35歳、市内のはずれで小さな雑貨商を営んでいた。一平には妻がいた。早夜、33歳、二人の間には子供がなかった。一平が死んで、早夜に残されたのは、たった今まで2人の住んでいた、旧造りの広い、寂しい暗い家だけであった。
H署が強盗に入られたという被害者からの急報を受けたのは、一平の自殺記事が載った日の約半年前の蒸し暑い晩のことだった。
一平と妻の等々力早夜、この2人が被害を受けた夫婦であった。
後で裁判所に採用された一平の供述調書によって、強盗に押し入られた時の模様を詳細にしよう。「私は、妻と2人で、雑貨商を営んでおります。店はいつも夜の8時頃まで開けております。その日も夜8時頃店を閉めまして、妻と2人で食事をし、店の売り上げを計算し、ラジオを聴いておりますと11時になりましたので、床に就きました。妻も台所の片付けをし、11時頃寝たと思います。30分もたった頃でしょうか、台所の方で、がたがたという妙な音がしますので、泥棒猫でも入ってきたのかなと思い、布団を脱け出して、台所へ行き電気を点けますと、何とそこに男がたっていたのです。ハンチングを被り、マスクをしていましたので人相はよくわかりませんが、身長は六尺ほどあったと思います。体つきもがっしりしておりました。私が何ですかあなたは、と驚いて尋ねますと男は、いきなり出刃包丁を突きつけまして"大人しくしろ、金を貰いに来た"というのです。私が起き出して行ったきり帰って来ないので妻も布団から出て、台所へやってきました。男の出刃包丁を見て妻も私のように、恐怖のあまり、声も出せない状態でした」
「そんな私ら2人を見て男は、用意してきていた麻のロープで私の腕を後に回して縛りつけ、足も縛りつけ身動き出来ないようにしてしまいました。それから女房のことも縛りつけました。そして、包丁を私の頬にピチャピチャと叩きつけて、金はどこにあると言いますので、押入れの中にある手提げ金庫を教えました。鍵は私の昼間着ている服のポケットにありました。男は、その鍵を使って中に入っていた現金10万円を奪って逃げました」
手提げ金庫についていた指紋が検出され、指紋照会の結果、強盗犯人は、強盗、強姦など前科3犯白木継夫であることが判明し、直ちに全国に指名手配された。
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