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▼ ハングリー国家 日本の悲劇【1】

ハングリー国家 日本の悲劇【1】


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文=法野巌
イラスト=笹沼傑嗣

ハングリー国家 日本の悲劇【1】

強姦未遂事件を起こした少年には母親との不倫の関係があった。

●強姦未遂事件

少年の非行は社会を映す鏡だといわれる。
子が親の鏡であるように、少年達の引き起こす非行は、その時代時代の流れを如実に浮かび上がらせる。
今、少年犯罪、少年非行は戦後、第三のピークを迎えていると言われる。

第一のピークは、昭和二六年。
この年をピークとする前後数年間の犯罪の多発現象は、終戦直後の社会的混乱や経済的窮乏を背景にするものであった。
次の波は昭和三九年をピークとするもの。
これは、この時期の急速な経済成長に伴う都市化の進展、都市への人口集中、享楽的風潮の広まり等がその原因とされる。

そして、第三の波が昭和四〇年代半ばから始まる。
この時代の特質として、価値観の多様化、社会的連帯感の希薄化、規範意識の低下等が指摘されている。
今回のレポートは、家庭裁判所に係属した一高校生の強姦未遂事件である。
強姦事件は以前から恒常的に発生しているものであり、人間か男と女という二種に区分して生存している以上、事件の発生は宿命的なものかも知れない。

少年非行の第三のピークを迎えつつあるといわれている現在、犯行、非行の増加は、主として、窃盗犯――その中でも特に万引きといわれるものや、シンナー遊びに代表される薬物事犯によるものであり強姦事件のそれではない。
しかしながら、この事件、あえて言えば、若い、ほとばしるようなエネルギー、情熱を持つ青少年のいる限りその発生を押さえるのは不可能とも考えられる。
強姦事件(本件では未遂であったが)の内容を調べて行くうちに、何とも言えない複雑な気持ちが湧いてくるのをどうすることも出来なかった。
そこには、まさに、現代社会の風俗の縮図ともいうべきものが生々しく横たわっていたのである。


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