サタデー・ナイト・レイパー 第4回【1】
サタデー・ナイト・レイパー 第4回【1】
性の快楽だけを求める男子高校生とその兄の犯した罪。
●籠絡方法
麻子、珠子が英気の部屋に遊びに来る前の日のこと。
「おい、お前はセックスの経験はあるのか?」
ウイスキーを飲みなから、英気の四歳上の兄、大沢田拳二が英気に聞いた。
夜も十一時を回っている。
兄はやはり、このアパートに住んでいる。
英気の部屋の隣が拳二の部屋である。
どちらの部屋にもテレビは置いてあるのだが、一人では寂しいのか、ウィスキーの瓶を持ちながら九時頃、拳二が英気の部屋に入ってきたのである。
二人の部屋は一応独立した構造になっているのだが、一番奥の部屋に、ドアが造ってあって、そこから互いの部屋に出入り自由になっているのである。
「あるよ。この年になってまだ女を知らないなんて片輪だよ」
「ヘーっ? 生意気言いやがって。しかし、やりてえよな。俺、今、日照りだからな」
兄の拳二も、英気と同様、学業の方など全く駄目で、周囲の者が高校に進むので、自分も仕方無しに進学したのである。
勉強と名のつくものは全く駄目。
高校もやっとのことで卒業した。
成績は勿論最低に近い。
学校の方でも、こんな不良生徒は一刻も早く卒業させようとしたのだろうか、別に落第の話も出なかったことは、不思議と言えば不思議なことである。
しかし、下半身の欲望だけは見事に発達していて、同級生の女生徒と不純異性交遊の機会などは、数知れなく持ったし、二~三度は、相手の女生徒を妊娠させてしまい、中絶費用を捻出するために、親の目を盗んで財布を持ち出したり、親戚の、人の好い老婆に、嘘八百を並べたてて金を借りたりしたものである。
卒業しても、ブラブラしていて、この歳になっても、まだまともな勤労意欲は湧いてこないらしく、喫茶店のボーイのアルバイトをしたと思うと、別の店のボーイをしたり、キャバレーの呼び込みの仕事をしたりと、どれ一つ永続きしたためしがない。
親もあきれて、文句を言うことなどしない。
弟の英気も、血は争えないもので、兄に輪をかけた性格、嗜好の持ち主。
ただ違う点といえば、弟の方がより巧妙なところがあり、ずる賢いことである。
結構この二人の兄弟は仲が好いのである。
「おい、お前の学校は不良ばっかりの学校だから、簡単に男と寝る女の子がいるだろう、誰か世話しろよ」
「駄目だよ。俺とならいいわと言う奴もいるけと、兄貴じゃなあ。うちの学校の生徒は年寄りとは寝ないよ」
「へっ。年寄りとはよく言うよ。年寄りのテクニックを知らないからそんなこと言うんだよ。一度俺と寝てみろよ。ひいひい泣かせてやるよ。畜生! やりたいな。やりてーよっ」
拳二の頭の中には、女の体のことしか無い。
それ以外のことには興味が無いのだから無理もないが。
テレビの画面には、水着姿の若い女の娘が体を横たえて、ウィンクをして見せている。
拳二は、ウィスキーグラスを左手に持って、右手を画面に伸ばして、画面の娘の太股の付け根のあたりを人差し指でこすっている。
「おい、誰か連れてこいよ。命令だ。すぐにやらせる奴の一人や二人は知ってるんだろ。顔なんかどうでもいいよ。穴だけあいていれば十分だよ」
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