サタデー・ナイト・レイパー 第5回【1】
サタデー・ナイト・レイパー 第5回【1】
性の快楽だけを求める男子高校生とその兄の犯した罪。
●凌辱の時
「おい、今日、麻子と珠子を家に呼んでやるつもりだけど、来ないか」
教室に入るなり吾郎を廊下に連れ出し、窓際に寄って、小さい声で英気が言った。
「いいよ、行くよ。しかし、本当にお前の家に来るのかよ」
事の善悪を考えることなどもともと無いかのように、吾郎はすぐ話に乗った。
二人は、良きガール・ハンター仲間であり、女の子の話になれば、すぐ同調してしまう。
子羊の群れの中に放たれた飢えた狼のようなものである。
「大丈夫だよ、麻子は俺に気があるんだよ。珠子なんか一発さ。三時頃俺のところへ電話しろよ」
「おい、雪夫も連れて行っていいか? あいつまだ童貞なんだってよ。俺に、何とかしてくれなんて言ってやがる。可哀そうだから、あいつにもおすそ分けしてやろうよ」
「ああいいよ。一緒に来いよ。それじゃな」
雪夫――土橋雪夫は中学以来の友人の一人である。
高校こそ違うが、何となくこの三人は気が合い、現在もつきあっている。
但し、雪夫は、女には弱く、英気や吾郎の話を聞いては、感心しているばかりの生徒である。
それが一念発起して、童貞を捨てたいと言っているのだ。
これに協力するのが友情というものだ――二人は心の中でそう考えた。
「ご免下さい」
「あら吾郎君よ」
言いながら麻子は立ち上がり入口の方へ歩いて行った。
ドアを開けて吾郎が入ってきた。
雪夫がその後から黙って入ってくる。
「よおっ、紹介するよ。友達の土橋雪夫君。中学校からの同級生さ」
「今日は。よろしく」
若い女の娘らは屈託なく弾んだ挨拶をした。
若い男の中にいるのが楽しくてたまらないといった様子である。
英気に吾郎に雪夫、それに麻子、珠子の五人が賑やかな声をたてて青々とした人いきれを部屋の中に充満させているところへ、拳二が隣の部屋から顔を出した。
「ほう、美人が二人もいる。珍しいこともあるなあ」
英気は、拳二と、麻子、珠子をそれぞれ紹介し、
「酒でも飲もうよ」
と腰を上げた。
冷蔵庫からビールを出してきて、二、三本栓を抜き、それぞれの前に置いてあるコップに注いだ。
拳二が何故か、ねっとりとした眼差しを麻子と珠子の前においてあるコップに向けていた。
「さあ、飲もうよ、冷えているからうまいよ」
英気が、愛想笑いを浮かべながら二人に勧めた。
どうも、二人の前のコップの中のビールは気の抜けたような感じだが、拳二と、英気以外のものは、このビールの中に目薬が仕掛けられているとは知らない。
吾郎も、雪夫も、麻子や珠子を犯してしまうつもりで来てはいたのだが、具体的な計画は知らず、そのうち、英気が何とか切っ掛けをつくるだろうと、さっきから下腹部のあたりがムズムズしていたのである。
上へ |
カテゴリ一覧へ TOPへ |
■広告出稿お問い合わせ ■広告に関するお問合せ ■ご意見・ご要望 ■プライバシーポリシー ■大洋グループ公式携帯サイト |