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▼ ベージュ色の襞の欲望 第7回【1】

ベージュ色の襞の欲望 第7回【1】


文=法野巌
イラスト=笹沼傑嗣

ベージュ色の襞の欲望 第7回【1】

成男は些細な事で激情し、冷酷非情の行動をとった。

●死刑宣告

成男は3件につきすべて自分がやったことを認めた。以下は膨大な量の供述調査の中からの抜粋である。

私は飲み屋のおかみを殺しました。両方の手で女の首を締め、そして殺したのです。

何故殺したのかということですか、私にもはっきりとはわかりません。事件を起こす前にも私は2、3回ほどその店で飲んだことがあるのです。私は酒の量はかなり飲める方で、1日におおよそ一升位は平気です。その日も焼酎をコップで5杯飲んでいたと思います。

時間は12時頃です。客は誰もいませんでした。おかみが、そろそろ店を閉めたいと言うので、私はもっと飲みたかったのですが、帰ろうと思いました。しかし、何かこのまま帰って寝るのはつまらないので、おかみに誰か今夜寝られる女はいないか、紹介してくれと言ったのです。

私は酒を飲むとものすごく女が欲しくなるのです。それでその日もおかみに、女を見つけてくれるように頼んだのです。

おかみは、「何言うのよ。私、そんなひと知っているわけないでしょ。馬鹿にしないでよ」

と答えたのです。そしてふふんという感じで私の顔を見て笑ったのです。馬鹿にした笑い方でした。

私はおもしろくなくて、「そんならおかみが相手してくれよ」

と言ったのです。

おかみは、これに対して、「女1人だと思ってなめるんじゃないよ」みたいなことを言ったのです。

私は、飲み屋のおかみのくせに客に対して何という態度だと無性に腹が立ち、「なにを!」と言いながら椅子からおりて、座敷に坐っていたおかみの所に飛びかかり、畳の上に彼女の体を押し倒しました。

彼女は私に馬乗りになられて、足をバタバタと動かし、「何をするのよ」と抵抗しました。「オ××コさせろよ」と言いますと、彼女は、私の顔につばを吐いたのです。これで私はカーッとなり、彼女の首を締めたのです。

しばらく締めているとガックリとし、力が抜けましたので、私はおかみのスカートやパンティをおろして裸にし、そして性交したのです。私がいれても何の反応も示さないので、おかしいと思って頬を叩いてみましたが、うんともすんとも言いません。

あれっと思いました。死んでしまったとわかりました。私は前にも1人殺していますので見つかるとやばいと思い、急いで逃げました。逃げる時、誰にも姿を見られなかったと思います。

次の日、新聞を見ましたが、事件のことは載っていましたが犯人は誰か不明、と書いてありましたので安心しました。


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