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▼ ベージュ色の襞の欲望 第4回【2】

ベージュ色の襞の欲望 第4回【2】


文=法野巌
イラスト=笹沼傑嗣

ベージュ色の襞の欲望 第4回【2】

成男は些細な事で激情し、冷酷非情の行動をとった。

●懲役15年

「おい、お兄ちゃんの言うことを聞け」

「いやよ、いや」

7歳の女の子に何がわかるというのだろう。恵子は今、成男が何を考え、何をしようとしているのかさえまったく理解出来なかった。ただ、とても乱暴な人だ、いじわるをされる、といった直感はあった。「いや」と声を出した愛らしい無邪気な恵子の頬に成男の平手が飛んだ。恵子は、誰からもこんな仕打ちを受けたことはなかった。

「いやだ、おじさん、やめてよ」

成男はますます逆上した。急がないと、父親が帰ってくると面倒になる。

7歳の恵子は幼ない精一杯の抵抗を示した。それが故に、彼女は成男の手により扼殺された。

死んだ恵子の陰部には、男の精液が飛び散っていた。成男のものだった。扼殺した後成男は、恵子の下着を剥ぎ、凌辱に及んだのだった。

帰ってきた父親の通報により駆け着けた警察官によって成男は緊急逮捕された。

殺人・強姦の罪により、成男は懲役15年という驚くべき重刑を言い渡された。彼がまだ16歳の少年であることを考えれば、これは、大人であれば死刑に相当する刑であった。それほど、彼の犯行の印象は、裁判官にとって最悪のものであった。

何の罪もない幼い女の子の殺害。懲役15年も無理はなかった。余人には理解しがたいこの犯罪の動機も彼の性格を考えれば納得が行く。要するに、彼の喜びは自分よりも力の弱いもの、無力なものを徹底していじめることにあった。彼にあわれみを乞い、許しを願うその真剣で必死な目付き。それらを感じながら、無視して、なお一層加える暴行、凌辱の数々。勿論、彼の心情を理解出来るということと、許せるということは別問題である。彼の引きおこした犯罪はどのように抗弁しようと許すことは出来ないであろう。


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