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小林電人衝撃のデビュー作『羞恥の教室』、第二章に突入!
サイト「羞恥学園新聞」で羞恥とアナルにこだわった小説を連載し、マニアたちから熱い支持を得ている女子高教師の藤井慎治。サイトの熱烈な女性ファンである"ナル"が、作品中で羞恥責めされるキャラ"しのぶ"のモデルである女生徒"忍"と同一人物だった。突然の学校内での告白に戸惑う藤井。放課後にふたりは待ち合わせて、カラオケボックスに入る。その場で忍はスカートを自らまくりあげるよう命令され、藤井に下着を見られながら言葉で嬲られると失神してしまうのだった。
第二章 禁じられた関係のはじまり
V 忍 3
藤井は意識を失ったままの忍を椅子の上に座らせ、自分に寄りかからせた。忍の肩を抱き、自分の肩に頭を預けさせる体勢だ。そして、いい子いい子をするように、忍の頭を撫でてやる。
どうやら忍は、藤井の言葉責めだけで興奮のあまり絶頂に達して失神してしまったらしい。スカートをめくり上げさせてショーツを露出させただけだというのに。忍は藤井が思っている以上に、マゾヒスティックな感受性に優れた少女のようだ。過剰といってもいいほどだ。
自分に寄りかからせた少女の肉体から、甘い匂いがしてくる。清楚な少女の体臭と、生々しい牝の匂いが混ざり合わないままに同時に漂っている。それは藤井の官能を激しく刺激した。衣服越しとは言え、密着した少女の肌の柔らかさと体温もリアルに伝わってくる。藤井の男性の部分は、鉄のように熱く、固くなっていた。
これは夢なのではないか。自分の妄想の中の世界なのではないか。あまりの幸福感に藤井は不安にすらなる。この美しい少女が、実は希有なまでのM性を持ち、そして自分に調教されることを激しく望んでいるなんて。あまりにも話がうますぎる。
藤井は、テーブルに手を伸ばし、さっき注文した烏龍茶を一気に飲み干す。その冷たさが、これがまぎれもなく現実なのだと藤井に教えてくれる。
烏龍茶のグラスから水滴が垂れて、忍の頬に落ちた。
「ん、んん......」
忍がうっすらと目を開ける。視界に、自分を覗き込む藤井の顔が入ってきて、一瞬わけがわからなくなる。自分が今、どこにいるのか。なぜ気を失っていたのか。記憶が甦る。
「あっ、えっ、あのっ、すいませんっ」
慌てて飛び退くように、藤井から体を離した。気を失う直前の自分の破廉恥な行動を思い出し、顔が真っ赤になる。
「大丈夫か、仲村」
「は、はいっ。大丈夫です」
恥ずかしくて藤井と目が合わせられず、ただうつむく。体を小さくして、まるで怯えているようだ。
さっきまでの「ナル」としての人格がどこかへ行ってしまい、素に戻ってしまったのだ。先生の前でスカートをめくり上げ、ショーツが濡れていることを指摘され、そして恥ずかしい言葉を口にしただけで興奮が頂点に達して、イッてしまい、失神までしてしまった......。なんという恥ずかしい姿を先生に見せてしまったのだろう。きっと先生も、こんな淫乱女には呆れてしまったのではないか。
忍は自分の中に潜む、いやらしい生き物を呪った。
「仲村、お前、本当にいいのか? 後悔してるんじゃないのか?」
失神から覚めて、人が変わったかのような忍の態度に、藤井が心配そうに顔を覗き込む。
「後悔だなんて......。先生こそ、こんな変な子を相手にするの、イヤになってませんか」
藤井は、忍の顔をまっすぐ見て、言った。
「お前は、おれにとって理想の存在なんだ。はっきり言っておくけどな、お前とこんな関係になっているということがバレたら、先生は学校をクビになるどころじゃすまない。立派な犯罪者だ。一生を棒に振ることになるかもしれない。正直言って、ナルがお前だと知った時、全てをあきらめようかとも思った。でも、そんなことはできなかった。お前のように若く美しく、そしておれと性癖の噛み合う女なんて、もう一生巡り合うことはできないだろうからな。たとえ人生を台なしにしても、かまわないと決心したよ。お前を失うことに比べたら、大したことない」
藤井はこんな情熱的な、というより歯の浮く言葉を、女性に対して言ったことは今まで一度もなかった。普通に考えたら、照れくさくて、まともに言えるようなことではない。しかし、これは藤井の正直な気持ちだった。どう思われようと、忍には本心をぶちまけておかねばならないという気持ちだった。
そして、その言葉は忍の心を揺さぶった。
「先生っ」
忍は藤井に抱きついた。ぎゅうと力いっぱい抱きしめる。
「先生、本当に私のこと、嫌いにならないでくれますか」
藤井は忍の頭を優しく撫でる。
「当たり前だろ」
「嬉しい、嬉しいです、先生っ」
忍は半べそをかいた表情で藤井を見上げると勢いよく唇を合わせてきた。柔らかく滑らかで艶めかしい少女の唇の感触。藤井は忍の頭を抱え込み、二人はさらに強く唇を押しつけ合った。藤井はそっと舌を伸ばして忍の唇に触れさせた。チロチロと唇の表面を軽く舐めると、今度は唇の間へと滑り込ませていく。
一瞬、忍は驚いて唇を固く閉じたが、すぐに小さく開き、藤井の舌の侵入を許した。藤井の舌が歯に当たる。忍はおずおずと固く閉ざしていた上下の歯を開く。
ぬるり、と藤井の舌は歯の内側までも入ってきて、忍の舌に触れた。
舌と舌が触れあった。それは忍にとって未知の快感だった。ぬめぬめとした軟体動物同士が絡みあう。粘膜と粘膜が触れあう。
(キスって、こんなにいやらしいものだったの?!)
アナルセックス、SMプレイといったアブノーマルな性行為についてはかなりの耳年増であり、繰り返し妄想していた忍だったが、ごくごく当たり前の行為であるキスが、これほど官能的なものだったとは想像もしていなかった。
藤井の舌は、忍の舌にからみつき、そして口蓋のあちこちを這い回った。その動きは忍に深い悦楽をもたらした。
忍は、ふと以前ネットでサンプル動画を見た成人向けアニメの、いわゆる触手モノのシーンを思い出した。タコのような無数の触手を持った異形の生物に少女が凌辱されるというシーンだった。ヌメヌメした触手が少女の肌を這い回り、穴という穴をめがけて侵入してくるのだ。その不快感と裏表となった卑猥さに、忍はひどく興奮した覚えがある。藤井の舌は、あの触手そのものだ。
忍は負けじと自ら舌を藤井の舌にからめ始めた。自分の舌を伸ばして藤井の口の中へと侵入させ、舌の根本に這わせた。すると藤井も忍の舌に自分の舌を巻き付けてくる。唾液をすすりあう。鋭敏な粘膜と粘膜の触れあう感触に、忍はうっとりした。
いつまでも、この行為を続けていたい。心の底からそう思った。体が熱くなり、亀裂は淫蜜であふれている。頭の奥が真っ白になってしまう。とてつもない興奮と快感と幸福感が忍を満たしていた。
(ああ、私、キスだけでイッちゃうかもしれない......)
忍がそう思った矢先に、藤井はそっと唇を離した。忍は恨めしそうな目で藤井を見た。もっと、もっとキスを続けていたいのに。
藤井は忍の頬を手のひらで撫で、優しい目で見つめた。藤井の目も興奮で潤んでいた。
「ここだと監視カメラに丸写りだからな。こんなところでセックスは止めて下さいって店員が注意しにくるかもしれないぞ」
悪戯っぽく藤井は笑った。忍などは、いっそ見せつけてあげてもいいのにという気持ちだったが、ついさっき藤井が「この関係がバレたらおれはおしまいだ」と言っていたことを思い出し、あきらめた。
「仲村、お前はおれの宝物だ」
藤井の言葉に、忍はまた体の奥が痺れる。
「今すぐにでも、お前の全てをおれのものにしたいけど、それはもったいなさすぎる。お前にとっても、初めての経験なんだろ?」
忍は黙ってうなずく。
「あせらずに、じっくりとお前を開発していきたいんだ」
今日はここまで、ということか。忍はがっかりした反面、ホッともした。やはり、全てを体験することに対して恐怖心もあったのだ。
それにしても、こんなに盛り上がっているのに止められる藤井の自制心に感心した。これまでに何人か言い寄って来た同世代の男の子たちとは大違いだ。彼らは、忍がちょっと隙を見せると、ここぞとばかりに体を奪おうと強引に迫ってきた。
やっぱり大人の人は違うな、と忍は思った。一時の勢いに任せて、同世代の男の子たちに体を許さなくてよかった。私は先生だけのもの。全てを先生に捧げられるのだ。唇も肌も乳房も性器も、そして先生が大好きな、私の一番恥ずかしくて一番敏感なお尻の穴も......。
忍は藤井を見つめて、コクンと頷いた。そして言った。
「先生、ひとつお願いがあります」
「ん、なんだ?」
「二人の時は、忍って呼んで下さい」
「わかった。おれの可愛い忍」
藤井は、またギュッと忍を抱きしめた。抱きしめられながら忍は陶然とした。ああ、これだけでイッてしまうかもしれない、と思った。
「ありがとうございました」
三十代の男性と、まだ十代らしき少女の二人組が会計を終えて店を出て行った。
カウンターの中にいた茶髪の店員が、会計を担当した短髪の男に声をかけた。
「今の、15番の客だろ。ディープキスしてた。年、大分離れてたけど、援交かな」
さっきまでカウンター内に設置してあるモニターで、店員たちは二人の様子を息を飲んで眺めていたのだ。
「でも、なんか女の方がメロメロっぽかったけどな」
カウンターの奥にいたもう一人の店員が、悔しそうに言う。
「あの子、すんげぇ可愛かったよな。ちくしょう、なんであんなオヤジに......」
店員とはいっても、高校生と大学生のアルバイトだ。全員、少年といった方がいい年齢である。
「絶対、キスだけじゃ済まないと思ってたけどな。ここで最後までやるなって期待して見てたのに。あーあ、残念」
「そりゃ、おれたちみたいに金がないと、カラオケボックスでやっちゃうけどさ、オヤジとかは金あるからな、ホテルで落ち着いてやるんじゃねぇの?」
「あーあ、じゃあ、これからあいつらホテル行くのか。羨ましいなぁ」
少年たちは、嫉妬に目をギラつかせた。
「それにしても、あの子、可愛かったな」
「でも、ちょっと地味じゃねぇ? おれ、もっとケバい方がいいな」
「三宅クンは、胸あれば、デブでもいいんだろ」
「うるせえな」
三人は笑いあいながら、片付けを始めた。
「ちくしょう、今頃あのオヤジは、あの子とやってるのか......」
一人の少年が、吐き捨てるように呟いた。
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小林電人衝撃のデビュー作『羞恥の教室』、第二章に突入!
サイト「羞恥学園新聞」で羞恥とアナルにこだわった小説を連載し、マニアたちから熱い支持を得ている女子高教師の藤井慎治。サイトの熱烈な女性ファンである"ナル"が、作品中で羞恥責めされるキャラ"しのぶ"のモデルである女生徒"忍"と同一人物だった。突然の学校内での告白に戸惑う藤井。放課後にふたりは待ち合わせて、カラオケボックスに入る。その場で忍はスカートを自らまくりあげるよう命令され、藤井に下着を見られながら言葉で嬲られると失神してしまうのだった。
第二章 禁じられた関係のはじまり
V 忍 3
藤井は意識を失ったままの忍を椅子の上に座らせ、自分に寄りかからせた。忍の肩を抱き、自分の肩に頭を預けさせる体勢だ。そして、いい子いい子をするように、忍の頭を撫でてやる。
どうやら忍は、藤井の言葉責めだけで興奮のあまり絶頂に達して失神してしまったらしい。スカートをめくり上げさせてショーツを露出させただけだというのに。忍は藤井が思っている以上に、マゾヒスティックな感受性に優れた少女のようだ。過剰といってもいいほどだ。
自分に寄りかからせた少女の肉体から、甘い匂いがしてくる。清楚な少女の体臭と、生々しい牝の匂いが混ざり合わないままに同時に漂っている。それは藤井の官能を激しく刺激した。衣服越しとは言え、密着した少女の肌の柔らかさと体温もリアルに伝わってくる。藤井の男性の部分は、鉄のように熱く、固くなっていた。
これは夢なのではないか。自分の妄想の中の世界なのではないか。あまりの幸福感に藤井は不安にすらなる。この美しい少女が、実は希有なまでのM性を持ち、そして自分に調教されることを激しく望んでいるなんて。あまりにも話がうますぎる。
藤井は、テーブルに手を伸ばし、さっき注文した烏龍茶を一気に飲み干す。その冷たさが、これがまぎれもなく現実なのだと藤井に教えてくれる。
烏龍茶のグラスから水滴が垂れて、忍の頬に落ちた。
「ん、んん......」
忍がうっすらと目を開ける。視界に、自分を覗き込む藤井の顔が入ってきて、一瞬わけがわからなくなる。自分が今、どこにいるのか。なぜ気を失っていたのか。記憶が甦る。
「あっ、えっ、あのっ、すいませんっ」
慌てて飛び退くように、藤井から体を離した。気を失う直前の自分の破廉恥な行動を思い出し、顔が真っ赤になる。
「大丈夫か、仲村」
「は、はいっ。大丈夫です」
恥ずかしくて藤井と目が合わせられず、ただうつむく。体を小さくして、まるで怯えているようだ。
さっきまでの「ナル」としての人格がどこかへ行ってしまい、素に戻ってしまったのだ。先生の前でスカートをめくり上げ、ショーツが濡れていることを指摘され、そして恥ずかしい言葉を口にしただけで興奮が頂点に達して、イッてしまい、失神までしてしまった......。なんという恥ずかしい姿を先生に見せてしまったのだろう。きっと先生も、こんな淫乱女には呆れてしまったのではないか。
忍は自分の中に潜む、いやらしい生き物を呪った。
「仲村、お前、本当にいいのか? 後悔してるんじゃないのか?」
失神から覚めて、人が変わったかのような忍の態度に、藤井が心配そうに顔を覗き込む。
「後悔だなんて......。先生こそ、こんな変な子を相手にするの、イヤになってませんか」
藤井は、忍の顔をまっすぐ見て、言った。
「お前は、おれにとって理想の存在なんだ。はっきり言っておくけどな、お前とこんな関係になっているということがバレたら、先生は学校をクビになるどころじゃすまない。立派な犯罪者だ。一生を棒に振ることになるかもしれない。正直言って、ナルがお前だと知った時、全てをあきらめようかとも思った。でも、そんなことはできなかった。お前のように若く美しく、そしておれと性癖の噛み合う女なんて、もう一生巡り合うことはできないだろうからな。たとえ人生を台なしにしても、かまわないと決心したよ。お前を失うことに比べたら、大したことない」
藤井はこんな情熱的な、というより歯の浮く言葉を、女性に対して言ったことは今まで一度もなかった。普通に考えたら、照れくさくて、まともに言えるようなことではない。しかし、これは藤井の正直な気持ちだった。どう思われようと、忍には本心をぶちまけておかねばならないという気持ちだった。
そして、その言葉は忍の心を揺さぶった。
「先生っ」
忍は藤井に抱きついた。ぎゅうと力いっぱい抱きしめる。
「先生、本当に私のこと、嫌いにならないでくれますか」
藤井は忍の頭を優しく撫でる。
「当たり前だろ」
「嬉しい、嬉しいです、先生っ」
忍は半べそをかいた表情で藤井を見上げると勢いよく唇を合わせてきた。柔らかく滑らかで艶めかしい少女の唇の感触。藤井は忍の頭を抱え込み、二人はさらに強く唇を押しつけ合った。藤井はそっと舌を伸ばして忍の唇に触れさせた。チロチロと唇の表面を軽く舐めると、今度は唇の間へと滑り込ませていく。
一瞬、忍は驚いて唇を固く閉じたが、すぐに小さく開き、藤井の舌の侵入を許した。藤井の舌が歯に当たる。忍はおずおずと固く閉ざしていた上下の歯を開く。
ぬるり、と藤井の舌は歯の内側までも入ってきて、忍の舌に触れた。
舌と舌が触れあった。それは忍にとって未知の快感だった。ぬめぬめとした軟体動物同士が絡みあう。粘膜と粘膜が触れあう。
(キスって、こんなにいやらしいものだったの?!)
アナルセックス、SMプレイといったアブノーマルな性行為についてはかなりの耳年増であり、繰り返し妄想していた忍だったが、ごくごく当たり前の行為であるキスが、これほど官能的なものだったとは想像もしていなかった。
藤井の舌は、忍の舌にからみつき、そして口蓋のあちこちを這い回った。その動きは忍に深い悦楽をもたらした。
忍は、ふと以前ネットでサンプル動画を見た成人向けアニメの、いわゆる触手モノのシーンを思い出した。タコのような無数の触手を持った異形の生物に少女が凌辱されるというシーンだった。ヌメヌメした触手が少女の肌を這い回り、穴という穴をめがけて侵入してくるのだ。その不快感と裏表となった卑猥さに、忍はひどく興奮した覚えがある。藤井の舌は、あの触手そのものだ。
忍は負けじと自ら舌を藤井の舌にからめ始めた。自分の舌を伸ばして藤井の口の中へと侵入させ、舌の根本に這わせた。すると藤井も忍の舌に自分の舌を巻き付けてくる。唾液をすすりあう。鋭敏な粘膜と粘膜の触れあう感触に、忍はうっとりした。
いつまでも、この行為を続けていたい。心の底からそう思った。体が熱くなり、亀裂は淫蜜であふれている。頭の奥が真っ白になってしまう。とてつもない興奮と快感と幸福感が忍を満たしていた。
(ああ、私、キスだけでイッちゃうかもしれない......)
忍がそう思った矢先に、藤井はそっと唇を離した。忍は恨めしそうな目で藤井を見た。もっと、もっとキスを続けていたいのに。
藤井は忍の頬を手のひらで撫で、優しい目で見つめた。藤井の目も興奮で潤んでいた。
「ここだと監視カメラに丸写りだからな。こんなところでセックスは止めて下さいって店員が注意しにくるかもしれないぞ」
悪戯っぽく藤井は笑った。忍などは、いっそ見せつけてあげてもいいのにという気持ちだったが、ついさっき藤井が「この関係がバレたらおれはおしまいだ」と言っていたことを思い出し、あきらめた。
「仲村、お前はおれの宝物だ」
藤井の言葉に、忍はまた体の奥が痺れる。
「今すぐにでも、お前の全てをおれのものにしたいけど、それはもったいなさすぎる。お前にとっても、初めての経験なんだろ?」
忍は黙ってうなずく。
「あせらずに、じっくりとお前を開発していきたいんだ」
今日はここまで、ということか。忍はがっかりした反面、ホッともした。やはり、全てを体験することに対して恐怖心もあったのだ。
それにしても、こんなに盛り上がっているのに止められる藤井の自制心に感心した。これまでに何人か言い寄って来た同世代の男の子たちとは大違いだ。彼らは、忍がちょっと隙を見せると、ここぞとばかりに体を奪おうと強引に迫ってきた。
やっぱり大人の人は違うな、と忍は思った。一時の勢いに任せて、同世代の男の子たちに体を許さなくてよかった。私は先生だけのもの。全てを先生に捧げられるのだ。唇も肌も乳房も性器も、そして先生が大好きな、私の一番恥ずかしくて一番敏感なお尻の穴も......。
忍は藤井を見つめて、コクンと頷いた。そして言った。
「先生、ひとつお願いがあります」
「ん、なんだ?」
「二人の時は、忍って呼んで下さい」
「わかった。おれの可愛い忍」
藤井は、またギュッと忍を抱きしめた。抱きしめられながら忍は陶然とした。ああ、これだけでイッてしまうかもしれない、と思った。
「ありがとうございました」
三十代の男性と、まだ十代らしき少女の二人組が会計を終えて店を出て行った。
カウンターの中にいた茶髪の店員が、会計を担当した短髪の男に声をかけた。
「今の、15番の客だろ。ディープキスしてた。年、大分離れてたけど、援交かな」
さっきまでカウンター内に設置してあるモニターで、店員たちは二人の様子を息を飲んで眺めていたのだ。
「でも、なんか女の方がメロメロっぽかったけどな」
カウンターの奥にいたもう一人の店員が、悔しそうに言う。
「あの子、すんげぇ可愛かったよな。ちくしょう、なんであんなオヤジに......」
店員とはいっても、高校生と大学生のアルバイトだ。全員、少年といった方がいい年齢である。
「絶対、キスだけじゃ済まないと思ってたけどな。ここで最後までやるなって期待して見てたのに。あーあ、残念」
「そりゃ、おれたちみたいに金がないと、カラオケボックスでやっちゃうけどさ、オヤジとかは金あるからな、ホテルで落ち着いてやるんじゃねぇの?」
「あーあ、じゃあ、これからあいつらホテル行くのか。羨ましいなぁ」
少年たちは、嫉妬に目をギラつかせた。
「それにしても、あの子、可愛かったな」
「でも、ちょっと地味じゃねぇ? おれ、もっとケバい方がいいな」
「三宅クンは、胸あれば、デブでもいいんだろ」
「うるせえな」
三人は笑いあいながら、片付けを始めた。
「ちくしょう、今頃あのオヤジは、あの子とやってるのか......」
一人の少年が、吐き捨てるように呟いた。
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電人blog |
著者=小林電人 長年夢見ていた自分の「理想のSMビデオ」を自主制作したことがきっかけで、AV&SM業界のはじっこに首をつっこむことになった都内在住の40代自営業。ひたすら羞恥責め、アナル責めを好み、70年代永井豪エッチ漫画の世界を愛する。これまでの監督作品として「1年S組 高橋真弓のおしおき」「同2」「穴牝奴〜町内会人妻肛虐倶楽部 」がある。以前、永井漫画をモチーフにした小説をネットに発表したことはあるが、オリジナルは本作が初めて。 |