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女性同士の性的プレイはフランス人やアメリカ人によれば"真に受ける"べきものではない。
最近、浮気に関する科学的研究が行なわれた。

アメリカでは(そしておそらくフランスでも)男性の半分が、彼女が他の女性と浮気をしてもオッケーなのだという。ところがもし彼女が男性と浮気をしたら、ほぼ四分の三の男性が彼女とわかれるのだそうだ。これはオースティンにあるテキサス大学の心理学者による新たな研究の結果だ。

女性は反対のパターンを示すようだ。表を見てみよう。

男性の50%は、同性愛関係をもった女性とつきあいつづける。
男性の22%は、男性と浮気した女性とつきあい続ける。

女性の28%は、女性と浮気した彼氏とつきあいつづける。
女性の21%は、ホモセクシャルな関係をもった男性とつきあい続ける。
この調査を行なった研究者たちによれば、男性は父権を脅かす裏切り行為に、より悩むのだそうだ。そしてそれは一種の遺伝子的怖れである。男性はまたパートナーの同性愛的行為を、一人以上の女性と、いっぺんに関係をもつ好機とみなすようで、より多くの相手とつきあいたいという男性の欲望を満足させるようだ。

女性たちは反対に、見捨てられることを恐れるようだ。夫が他の女性と関係をもっても、彼女たちは「遊びかもしれない、この女となら戦えるわ、私のほうがセクシーだし賢い」などと考える。でも夫が同性愛の浮気をした場合は、「男性とは戦えない」と考える。それは女性が男性より劣っていると感じているからだろうか? それともペニスがないからだろうか?

私もこれに関する記事を書いたことがあるのだが、その時も多くのフランス人読者が反応を示した。「私の妻が女性とセックスしても、私はハッピーだね。だって自分が二人の女性とセックスするようなものだからさ」。これに関しては有名な歌がある「俺の彼女の彼女は、俺の2番目の彼女さ」(Type O negative)

男性が女性同士のセックスに興奮するのはとてもおかしなことだ。フランスでは、まわりの男性を喜ばせるために、スウィミング・クラブなどで、女性同士がじゃれあうよう頼まれることがある。
男性は女性同士のじゃれあいは単なる「前戯」にすぎず、"本当"のセックスではないと考えている。
男は「女にはペニスがない、だから性的に男より劣っている」と考える、しかしこれは間違っている。普通女性はヴァギナよりもクリトリスで快感を得る。だから女性は舌や指(そして妖精)を遣って戯れるほうが、ずっと多くの快感を得られるのだ。
日本人はこれを知っているのではないかと私は思っている、でもフランス人もアメリカ人もこれを無視している。

私たちの国では女性の体に関する無関心が目に余る。女性でさえ自分自身の本当の力を無視している。私の国では、男性のセックスは女性のセックスよりも重要視される。私たちの文化はファリックだ。たとえば、我々が胸を見る時、今ではそれがいかに大きいかを見る。それを"凸"面的視点で測る。我々は"胸の大きい女性は、ペニスの大きい男性のようなものだ"と考える。だから女性はおっぱいは、"ぱんぱん"に膨れていたほうがセクシーだとばかりに、シリコンを入れるのだ。
しかし古代(紀元前)においては、人々は、胸とはほら穴のようなものだと考え、"凹"的視点で見ていた。フランス語で胸を意味する"sein"は、ラテン語の"sinus"から来ており、この言葉は服の奥深くにある何かを示し、手を差し込むことができるところという意味がある。"sinus"という言葉は、隠された母体の謎という意味であり、内側の見えない真実を意味していた。

他にも、多神教の時代には、人々は神の領域にまで届く高いものと、へそのように空洞、洞窟を持つものを山と同じようなものと考えていた。彼らは天へと向かう男性的な力と、内部でじっと待つ女性的な力を区別しなかったのだ。
人類にとって天上に向かう全てのものは進歩と関連づけて考えられる。しかし進歩とは内側からくる内的自己を基礎としているものなのだ。進んでいくこと、登っていくことには内面化を要することが多い。だからおそらく、武道における空と"腹"にはつながりがあるのではないかしら?

文=アニエス・ジアール
翻訳=前田マナ

"Sex-play between women"

Sex-play between women is not "serious" according to French and American people.
Recently there has been some scientific studies about infidelity.

In USA (and probably in France too), half of men are OK if their girlfriend has cheated on them with another woman. But if she has cheated with another man, nearly 3 men on 4 will say "bye bye", according to new research from a University of Texas at Austin psychologist.

Women show the opposite pattern. Look at the figures:

50% of men will continue dating a woman who has had a homosexual affair
22% of men will stay with a woman after a heterosexual affair.

28% of women will continue to date a boyfriend who has had a heterosexual affair.
21% of women will stay with a man who has had a homosexual affair.
The researchers who made these studies say that men are more distressed by the type of infidelity that could threaten their paternity of offspring. It's a kind of genetic fear. Men may also view a partner's homosexual affair as an opportunity to mate with more than one woman simultaneously, satisfying men's greater desire for more partners.

The women, on the opposite, seem to be afraid of being abandoned. If their husband has an affair with another woman, they think "Maybe it's just a flirt. I can fight against this woman, I am more sexy and intelligent than her". But if their husband is homosexual, they think "I cannot fight against a man". Maybe women feel they are inferior to men??? Because they have no dick?

I made an article about this and many French readers reacted on this study saying: "If my wife has sex with another woman, I am a happy man, because it's like making love with 2 women". There is a famous song about it: "My girlfriend's girlfriend is my girlfriend 2". (Type O negative)
http://www.youtube.com/watch?v=KgkBWZXVLyk
It's very funny, because men are very much excited by sex-play between girls. In swinging clubs, in France, women are very often asked to start playing with another women… in order to arouse men who are around.
Men think it's only "foreplay". Not "Real sex".
Men think: "A woman has no dick. So she is less sexually powerful than men!". Which is not true. Usually, women have pleasure with clitoris, not with vagina. So women get much more pleasure with someone who plays with tongue and fingers (and Fairy!).
I think Japanese people know that. But French and American people ignore it.

There is a lot of ignorance about women's body in our countries. Even women ignore their own true power. In our countries, the male sex has become much more important than female sex. We are a phallic culture. For example, when we look at a breast, now, we look at how "big" it is. We measure it, with a "convex" point of view. We think "woman with big breast is like man with big dick" and this is why so many women try to put silicon inside their breast, as if it was sexier to be "full".
But in the antic time (before Jesus Christ), people considered breast like a hole, like a cavern, with a "concave" point of view. The word "sein" (breast, in French) comes from "sinus" (Latin word) which means something deep inside your clothes, where you can introduce your hand… The word "sinus" used to means the mystery of hidden matrix, internal invisible truth.

Another example: in pagan times, people used to consider mountain both as something very high, leading to god sphere, and something very empty, with caverns inside, like the navel. These people did not separate male power (something that goes towards the sky) and female power (something that waits inside)…
All things going up are related to the idea of progress, in our human mind. But the progress is based on something that must come from inner-self, from inside. To progress, to go up often means to interiorize. Maybe, there could be a link with emptiness and "hara" in martial art?

text=AGNES GIARD

アニエス・ジアール最新刊『エロティック・ジャポン』(河出書房新社)発売!!


『エロティック・ジャポン』

著者: アニエス・ジアール
翻訳: にむらじゅんこ
発売: 2010年12月22日
定価: 3,990円(本体3,800円)
ISBN: 978-4-309-24534-8
出版社:河出書房新社

内容:あまりに奇妙で、あまりに豊饒な日本のエロス的イメージ! 気鋭のフランス人女性ジャーナリストが論じる大胆な日本のエロティック・カルチャー……ロリコン、人形、制服フェチ、コスプレ、メイドカフェ、援助交際、風俗産業……現代アートや浮世絵、風俗雑誌など、約300点にのぼる豊富な図版を収録!


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アニエス・ジアール - AGNES GIARD - 1969年生まれ。仏リベラシオン紙のジャーナリストであり、主にカウンターカルチャーや性に関する記事の専門家。日本のエロティシズムについて言及した著作 『エロティック・ジャポン』(仮)、『図解 ビザール・セックス全書』(仮)がそれぞれ河出書房新社と作品社より近日刊行予定。現在は京都の関西日仏交流会館ヴィラ九条山に滞在しており、日本における様々な恋愛物語についての本を準備中。

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前田マナ 英国ランカスター大学演劇学部修士修了。専門は現代演劇やコンテンポラリーダンス。 ライターとしてウェブや雑誌等に雑文なども寄稿。
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