2010.06.21 Mon -07.03 Sat at vanilla gallery
6月21日(月)〜7月3日(土)
東京・銀座「ヴァニラ画廊」にて開催
滑らかな曲線がつむぐ女体美と、注意深く秘められた情念。画家としては「喜多玲子」の名で知られ、『奇譚クラブ』をアブノーマル誌として再生させた編集者としては「美濃村晃」の名で愛された、異端の作家にして日本SM史の父。没後も愛好家を魅了してやまない氏の生誕90周年を記念して、銀座の画廊が変態の故郷に。その名を知る人も知らない人も、この機会に改めて氏の為し遂げた仕事の大きさを感じてみて欲しい。東京・銀座「ヴァニラ画廊」にて開催
本名、須磨利之。1920年(大正9年2月)京都市生まれ。 画家としての筆名は「喜多玲子」であるが、縄師「美濃村晃」の名前も多く使用した。小説家としての筆名は「円城寺達」をはじめ無数にある。幼少のころに見た金森観陽の挿絵(子母沢寛『天狗の女』に掲載された、女が蔵の中で全裸に後手で縛られている折檻シーン)に衝撃を受けアブノーマルに目覚めたとされる。
太平洋戦争後、大阪の新聞社に就職するも、『奇譚クラブ』の編集に関わり、日本初のSM専門誌にと成長させていく。喜多玲子の名前で「責め絵」を描き、その質の高い構成力と無駄のない筆致で、淫靡な情念を見事に描きあげ多くの愛好家の共感を獲得する。他にもさまざまなジャンルの雑誌の読物にイラストを、それぞれ別の筆名で巧妙に描き分けた。その頃に大阪府警主催の「防犯博覧会」を訪れた伊藤晴雨と、飛田の遊郭で偶然に出会い、後に外弟子となる。
やがて東京に移り1953年『風俗草紙』に作品を発表、56年には自ら編集人として『裏窓』を創刊する。のちに東京三世社系の『SMセレクト』をメインとする各誌、サン出版系の『SMコレクター』『アブハンター』『SM奇譚』などに挿画家として活躍し、さらに多くのペンネームを使い、作家としても小説、読物を書いた。
50代に脳溢血で倒れてからは一線からは退き、1992年(平成4年)、72歳の天寿を全うする。徹底したサービス精神と、寝食を忘れても好きなことに没頭する職人肌。偉大なる先駆者として、まさに八面六臂の活躍をした。日本のSM誌の歴史はこの人が作り上げたと言っても過言ではない。今年2010年は氏の生誕90周年にあたる。
ヴァニラ画廊
ヴァニラ画廊 美濃村晃(喜多玲子)生誕90周年記念展示「昭和異端風俗絵模様」
開催日時=6月21日(月)〜7月3日(土)
平日12時〜19時
土曜12時〜17時(日曜休廊)
特別トークイベント=
6月26日 16:00〜18:00 1500円
出演:早乙女宏美・鏡堂みやび・伊藤文學
会場・問い合わせ先=
東京・銀座『ヴァニラ画廊』
〒104-0061
中央区銀座6-10-10 第二蒲田ビル4階
電話 03-5568-1233
10.06.17更新 |
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