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2012.3.31 Sat at Asagaya Loft.
3月31日(土)
東京・阿佐ヶ谷「阿佐ヶ谷ロフトA」にて開催!!
美しい風景の中にそびえ建つ白亜の巨大神殿!! 町の人たち、そしてその風景は、時に饒舌に語り時に沈黙する。原子力発電所は何をもたらし、何を奪ったのだろう? 写真家・谷口雅彦が原発のある町を訪ねたロード写真集『沈黙と饒舌と 原発のある町』の発刊を記念して、撮影時のエピソードや現地の様子を語るトークイベントが開催されます。あれから1年、あなたは何を考えますか?
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東日本大震災後、5月から被災地を回る中でふと感じた、原発被災地の人々の複雑な心の内。そして沸き上がる疑問と抑えがたい衝動。
「日本各地の原発と原発の街はどうなっているのだろう?」
「原発の街に住む人々は何を考えているのか?」
世論がより加速度的に脱原発に傾いていく中、被災地巡りと並行して、僕らは興味の赴くまま原発のある町を次々と訪ね歩いた。
レンズやマイクを向けると、町の人たちは時に饒舌に語り、時に沈黙する。
その過程で、盲信的な脱原発論への疑問を感じ、自然と調和する原発のたたずまいの荘厳さに素直に心打たれた。
そして僕らは考えた。

「原子力発電所は何をもたらし、何を奪ったのだろう?」

著者と企画者が日本全国、延べ30,000kmの原発巡りを敢行する中で、自身のポリシーの揺らぎを感じ、お祭り騒ぎと化した脱原発ムーブメントに疑問を持ったからこそ行き着いた、推進でも脱原発でもないニュートラルな原発写真集。
読後にモヤモヤした気持ちを感じたら、それは読者各自が原発の今後を考え始めたサインです。


トーク・ライヴ「ニッポン列島 原発だらけ」開催!!

写真集『沈黙と饒舌と 原発のある町』発刊を記念して、トークライブを開催することになりました。
スライドを見ながら撮影時の様子、エピソード、原発に対して地元住民は何を思っているかなどを語ります。

【出演】谷口雅彦(写真家)、土屋幸仁(企画取材)、成田泉(有限会社ラップ)、他にもゲストあり。
【司会】末井昭(白夜書房)

下欄の詳細をご覧の上、ぜひ足をお運び下さい。

【取材を終えて】

急ぎ足だが福島県葛尾村、浪江町、飯舘村を取材して、〆切ギリギリ、全国の原子力発電所のある町や建設予定地、そして原発事故の影響を受けた町などの取材を、一通り終えることとなった。
取材開始したのが昨年5月、ぼくは福島第一原子力発電所事故発生当初からすぐに動いた訳ではない。
事故当初、世の中が大騒ぎをしている頃、ぼくは被災地取材は独自に行なっていたが、原発事故に関しては静観している状態だった。
それが、東京電力や国の対応などの遅さ、そこで翻弄された人々。なのに無関心を装う都会人。
そんな状態に直面し、一昨年末に、「何かあったら一緒にやりたいね」と話していた編集土屋氏から、原発の写真集を作りたいと企画を伝えられ、翌日、二つ返事でやることを決めたのがそもそもの始まりだった。

以前、このブログにも書いたが、実は1988年に、北海道の泊村の原子力発電所一号機が稼働するというタイミングの頃、まだ専門学校の学生だったぼくは、泊を始め全国のいくつかの原子力発電所を取材してまわったことがあった。
確かぼくが取材した時は24基ほどだったと思うが、あれから23、4年が経ち、全国の原子力発電所は現在、17カ所54基を数えている。

なんでそんな昔に既に原子力発電所取材をしたのか?と聞かれたりするが、それには理由がある。

1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故があり、その時に放射能が故郷北海道にも降り注ぐ危険性があるという体験をしたからだ。

チェルノブイリ事故の時、ぼくは進学で東京に住んでいたから東京から故郷の家族を心配した。

そんな体験と、1988年当時通っていた専門学校の写真授業の担任の先生が、硬派な原発の写真で著名な写真家樋口健二さんだったことも影響している。
樋口さんから、原発の話しを聞いたり著作物を読ませていただいているうちに、自分の目で見てみたいと思ったのだ。

夏休みを使って、東京で今でいうルームシェアしていた同居人O君と旅をしようと思いたち、北海道に向けて北上、ちょうど北海道で初めての原子力発電所がもうすぐ稼働することを知り、急遽、泊へ向かうことにしたのだった。

21歳のぼくは、フォトジャーナリスト気分で泊の原子力発電所に足を運んだ。
反対デモをしている方達と発電所を警備する人たちとのぶつかり合い(というほどではないかな)に出くわすことになり、その模様を撮影した。

実際に足を運んで驚いた。

反原発を訴えている方達が、地域住民ではなく、外から来ている人達だったからだ。

そのことは、そのあとの地域住民の取材で理由がわかってきた。

チェルノブイリのような事故が起きたら恐い原子力発電所を稼働してほしくはないという気持ちで向かった泊で、夜暗くなってからの原子力発電所入口までの反原発のデモをやる方達を取材している最中に、飲酒してから参加していたと思われる幾人から蹴られたりして暴行を受けるという、初っ端から厳しい仕打ちを受けて しまったのだった。

反原発を訴えている方達の事務局に、昼間のうちに挨拶をして素性もあかしての取材だったのに。。。

ぼくは、酔っ払いに暴行を受けただけで考えを翻す気持ちはサラサラないが、いわゆる反原発というのも、なんだかしっくり行かないなぁと感じてしまったのだ。

もちろんきちんとした姿勢で反原発運動をしている方々もいるのも今は理解しているが、この体験がきっかけで、全国にある原子力発電所とその町はどんな感じなのだろうと気になり、泊原子力発電所を後にした。

北海道を出て、青函トンネルを通り、本州、日本海沿いを南下、鳥取から瀬戸内海側に出て、できたばかりの瀬戸大橋を渡り、四国、フェリーで別府に渡り、九州をぐるっとまわって再び本州へ。

気がつけば日本一周原子力発電所の旅みたいなことをしてしまったのだ。

あれから23年の2011年。
福島第一原子力発電所の事故が起きた。

事故により世の中は、混乱した。

今現在も解決していない。。。

人間がやることに完璧はない。
ならば、念には念のセキュリティを徹底し、もし最悪なシナリオが起きた場合を想定してからの運用でなければ許されないだろう。

しかし福島第一原子力発電所の事故は、残念ながら既に起きてしまったのだ。

最悪の事態が起きたこと。

ぼくが四半世紀前に危惧していたことが起きてしまった。

だからと言ってぼくの本心は、「ほら見たことか!」ではなく、ぼくも事前に止められなかったと、事故に加担した一人のように感じたのだ。

以前から、危ないと感じていたのに、結局はアクションすることができなく事故を迎えてしまったこと。

ぼくが加担したなんて、誰からも責められることではないかもしれないが、
少なくても、日本全国の原子力発電所のある町を、再びまわる旅をしたい!
しなければならない!と感じたのだった。

そして、その報告を写真集で世に問いたい。

写真集には、原発反対も推進も賛成も容認も脱原発も減原発も、何もかも押し付ける考えはなく、ただ、福島第一原子力発電所の事故が起きたあとの、その後の原子力発電所のある町、つまり日本はどんな感じなのだろうと、ひたすら走りまわり写真を撮りまくった結果が形になるのだ。

写真集を手に取って見た方が、しっかりと自分の意見を持っていただけたらと切に願っています。
谷口雅彦ブログ「続 谷口雅彦 写真の他火(たび)日記」より

谷口雅彦 プロフィール
1967年北海道旭川市生まれ。9歳で自らカメラを購入し、以来現在まで写真を撮り続ける。
専門学校在学中に昭和天皇[大喪の礼]連続スクープ写真を撮影、'89毎日新聞ニュース写真年度賞特選を受賞。
写真家細江英公氏、丹野章氏に師事。写真ワークショップCORPUS第二期修了。
1992 年、舞踏家大野一雄氏と出会う。以後、舞踏家やストリップダンサーなど、身体表現者たちとのセッションにより作品を制作、展覧会、カメラ誌、写真集などで発表。
また「旅」とは古来、「他火」と書き、他者の命に触れることを意味し、その「他火」と「写真」を、自身の人生に重ねることにより日々写真を撮り続け、オルタナティブな場所を始め、全国の画廊、ギャラリー、美術館を拠点に写真作品を発表している。
他、著名な小説家やアスリートのポートレイト写真や、廃墟、ドキュメント写真も撮影する。
主な著書に写真集『日々の旅1993-2002』(ワイズ出版写真叢書15)、文庫『裸女の秘技絢爛絵巻-ストリップはいま-』(河出書房新社)、共著『性職者の人々』(宙出版)がある。

以上、プレスリリースより

『沈黙と饒舌と 原発のある町 』(白夜書房)

著者=谷口雅彦

価格:2940円
ISBN13:978-4861918612
発売:2012年3月9日
出版社:白夜書房



谷口雅彦写真集『沈黙と饒舌と 原発のある町』発刊記念トーク・ライヴ
「ニッポン列島 原発だらけ」


開催日時=3月31日(土)
OPEN12時/START13時〜だいたい16時くらいまで

料金=前売1500円/当日1600円(共に飲食代別)
★前売りチケットはローソン【L:31574】、ウェブ予約にて3月3日から発売開始!!

会場・問い合わせ先=
東京・阿佐ヶ谷 『阿佐ヶ谷LoftA』
〒166-0004
杉並区阿佐谷南1−36−16−B1
電話 03-5929-3445

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12.03.10更新 | WEBスナイパー  >  イベント情報
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