超A感覚読本
美濃屋の安太郎の大ギンタマにいたずらした猛ちゃん達は全校生徒の前で校長先生にこっぴどくしかられてしまいました。見かけはみっともない大ギンタマ。しかし、通人達の間で大ギンタマは善光寺チンボもたじたじの素晴らしい威力をもつものと言われているのです。
英語でテスティス
頭の瘤をおさえながら学校に戻った私達を見て、皆かどっと喊声を上げ、お祭りのように騒ぎ出したものですから、授業は完全に中断してしまいました……と言うよりは先生の方も朝礼の時、校長先生や教頭先生に凄い勢いで叱り倒されて運動場を三回走って廻らされたりしていますので、よっぽどこの事件の内容を知りたく思っていたのでしょう。
竹野というその男の英語教師は、
「お前達一体何をしでかしたんや?」
と私達に昨日のことを詳しくここで皆に聞かせよと言いました。
仕方がないので昨日図工の時間に種豚の巨大な畢丸を見て、それで思いついて皆して美濃屋の安太郎の畢丸を握ってその感触を確かめたこと、そして玉置が二の腕を喰らいつかれて中々はずせなかった事を話すと、その教師は、
「ワハハハハハ……」
と大笑いをするし、女の子達も突つき合いをして大笑いをしたものですから、廊下を挟んだ向こう隣の教室では窓を開けて皆が一斉にこちらを覗きました。
これはきっと、休み時間になったら大変です。
根掘り葉掘り又聞かれることはまちがいありません。
先の赤痢の検便騒動に続いて、又校内の有名人になってしまいます。
話というものは段々尾に鰭がつくものですから大変です。
横田が大将になって玉置や伊藤や長谷川を指図して、道の真ん中で裸の安太郎を仰向けにへさえつけて、皆してその畢九を揉んだり引っ張ったりしたら、玉置が必死の安太郎にケッツの肉を喰らいつかれて、痛いのでヒイヒイ泣いてとうとう小便ちびったということになってしまいました。
さてその朝の一時間目の英語の時間ですが、騒ぎがひとわたり済むと先生は一番前の中央の、自分に一番近い席にいる内田君に、
「キンタマって英語で何て言うか知っとるか?」
と言いました。
後ろの方で二、三の男生徒が小さな声で、
「ゴールデンボール」
と言ったものですから、内田君はこれ助け舟とばかりに
「ゴールデンボール」
と言って先生に、
「お前は何ともならん阿呆やのう」
と言われ、その後ろの席の藤枝君に同じ質問をすると、藤枝君は、
「ホウデン」
と答えました。
先生は、
「ホウデンは英語とちゃうぞ、キンタマは英語でテスティスて言うんじゃ、そやからそこで造られるホルモンをテストスティロンで言うんじゃ、お前ら男はみんな二つずつ持っとる筈やから、自分の身体の一部なんやからよう憶えとけよ」
と言いました。
そうするとあの玉置が、
「先生、脱腸は英語では何て言うんですか?」
と聞いたものですから男子生徒も女生徒もどっと大笑いになりました。
「わあ、えらっそうにしとって先生も知らへんのやろう?」
と勝ちはこったように言う玉置に先生は、
「次の校業までに調べてきてやる!」
と言った時一時間目の終わりのサイレンが鳴りました。
この先生は普段から、『キンゼイ報告』とかいう分厚い赤い表紙の本をよく持ち歩いたり、カサノバがどうしたとか『デカメロン』がどうだとか言っていましたか、私が大学へ行くようになってから分かったのですが、それらは性の報告書や名代の助平男や古典的なエロ本のことで、彼は当時、私達が子供で何も知らないと思って学校にまでそのような物を持って来て、同僚に見せたり貸したりして得意になっていたのです。
当時、昭和三十年頃はホルモンについて何かと注目され始めた時で、不老不死、若返りの妙薬として脳下垂体が注目を浴び、牛の脳下垂体を採って人間に与えると精力絶倫になるとか、ハゲに毛が生えるとか言われ、小説では『ホウデン侍従』と言うのが大変に世間に受けて、映画にもなりましたが、当時花菱アチャコと組んで『二等兵物語』の喜劇映画のシリーズで人気絶頂であった、伴淳こと伴淳三郎が、この映画だったかで、カミさんに
「家にもっとお金を入れろこの甲斐性無し、付けてて役に立たぬものなら売って金に代えろ!」
と言われて、自分の睾丸を医者へ行って抜いてもらって、まるで牛肉のように竹の皮に包んで帰り、カミさんに、
「抜いてきたよホラ……」
と見せて、それを脳下垂体の研究をしているという学者の所へ買ってもらいに行くところがありました。
内田君はこの『ホウデン侍従』のことを知っているので、ホウデンというのはキンタマの英話だと思ったのでしょう。
これが教科書だ! 肛門講座の決定版、復刻連載! 大肛門狂綺談 文 横田猛雄 絵 伊集院貴子 第30回 お尻の学校【1】 |
美濃屋の安太郎の大ギンタマにいたずらした猛ちゃん達は全校生徒の前で校長先生にこっぴどくしかられてしまいました。見かけはみっともない大ギンタマ。しかし、通人達の間で大ギンタマは善光寺チンボもたじたじの素晴らしい威力をもつものと言われているのです。
英語でテスティス
頭の瘤をおさえながら学校に戻った私達を見て、皆かどっと喊声を上げ、お祭りのように騒ぎ出したものですから、授業は完全に中断してしまいました……と言うよりは先生の方も朝礼の時、校長先生や教頭先生に凄い勢いで叱り倒されて運動場を三回走って廻らされたりしていますので、よっぽどこの事件の内容を知りたく思っていたのでしょう。
竹野というその男の英語教師は、
「お前達一体何をしでかしたんや?」
と私達に昨日のことを詳しくここで皆に聞かせよと言いました。
仕方がないので昨日図工の時間に種豚の巨大な畢丸を見て、それで思いついて皆して美濃屋の安太郎の畢丸を握ってその感触を確かめたこと、そして玉置が二の腕を喰らいつかれて中々はずせなかった事を話すと、その教師は、
「ワハハハハハ……」
と大笑いをするし、女の子達も突つき合いをして大笑いをしたものですから、廊下を挟んだ向こう隣の教室では窓を開けて皆が一斉にこちらを覗きました。
これはきっと、休み時間になったら大変です。
根掘り葉掘り又聞かれることはまちがいありません。
先の赤痢の検便騒動に続いて、又校内の有名人になってしまいます。
話というものは段々尾に鰭がつくものですから大変です。
横田が大将になって玉置や伊藤や長谷川を指図して、道の真ん中で裸の安太郎を仰向けにへさえつけて、皆してその畢九を揉んだり引っ張ったりしたら、玉置が必死の安太郎にケッツの肉を喰らいつかれて、痛いのでヒイヒイ泣いてとうとう小便ちびったということになってしまいました。
さてその朝の一時間目の英語の時間ですが、騒ぎがひとわたり済むと先生は一番前の中央の、自分に一番近い席にいる内田君に、
「キンタマって英語で何て言うか知っとるか?」
と言いました。
後ろの方で二、三の男生徒が小さな声で、
「ゴールデンボール」
と言ったものですから、内田君はこれ助け舟とばかりに
「ゴールデンボール」
と言って先生に、
「お前は何ともならん阿呆やのう」
と言われ、その後ろの席の藤枝君に同じ質問をすると、藤枝君は、
「ホウデン」
と答えました。
先生は、
「ホウデンは英語とちゃうぞ、キンタマは英語でテスティスて言うんじゃ、そやからそこで造られるホルモンをテストスティロンで言うんじゃ、お前ら男はみんな二つずつ持っとる筈やから、自分の身体の一部なんやからよう憶えとけよ」
と言いました。
そうするとあの玉置が、
「先生、脱腸は英語では何て言うんですか?」
と聞いたものですから男子生徒も女生徒もどっと大笑いになりました。
「わあ、えらっそうにしとって先生も知らへんのやろう?」
と勝ちはこったように言う玉置に先生は、
「次の校業までに調べてきてやる!」
と言った時一時間目の終わりのサイレンが鳴りました。
この先生は普段から、『キンゼイ報告』とかいう分厚い赤い表紙の本をよく持ち歩いたり、カサノバがどうしたとか『デカメロン』がどうだとか言っていましたか、私が大学へ行くようになってから分かったのですが、それらは性の報告書や名代の助平男や古典的なエロ本のことで、彼は当時、私達が子供で何も知らないと思って学校にまでそのような物を持って来て、同僚に見せたり貸したりして得意になっていたのです。
当時、昭和三十年頃はホルモンについて何かと注目され始めた時で、不老不死、若返りの妙薬として脳下垂体が注目を浴び、牛の脳下垂体を採って人間に与えると精力絶倫になるとか、ハゲに毛が生えるとか言われ、小説では『ホウデン侍従』と言うのが大変に世間に受けて、映画にもなりましたが、当時花菱アチャコと組んで『二等兵物語』の喜劇映画のシリーズで人気絶頂であった、伴淳こと伴淳三郎が、この映画だったかで、カミさんに
「家にもっとお金を入れろこの甲斐性無し、付けてて役に立たぬものなら売って金に代えろ!」
と言われて、自分の睾丸を医者へ行って抜いてもらって、まるで牛肉のように竹の皮に包んで帰り、カミさんに、
「抜いてきたよホラ……」
と見せて、それを脳下垂体の研究をしているという学者の所へ買ってもらいに行くところがありました。
内田君はこの『ホウデン侍従』のことを知っているので、ホウデンというのはキンタマの英話だと思ったのでしょう。
(続く)
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
07.09.30更新 |
WEBスナイパー
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