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欧米フェティッシュ・ジャーナル Fetish Journal:【1】秋葉原通り魔事件

world wide fetish journal on WEB sniper.
毎週木曜短期集中新連載開始!
欧米フェティッシュ・ジャーナル
Fetish journal
【1】秋葉原通り魔事件



取材・文=
アニエス・ジアール
フランシス・ドゥドブラー


翻訳=牡丹


「S&Mスナイパー」本誌でおなじみの在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします! 第一回目となる本日は、彼らの自己紹介と私たちの記憶にも新しい、今年6月に起こった秋葉原通り魔事件について。世界はあの事件をどのように捉えたのでしょうか?




私は、世界で起こる犯罪の大多数が、自分の欲望を敢えて満たそうとしない
男達の勇気の欠如であるということを確信している

日本のマスコミでは、秋葉原通り魔事件の犯人について、なぜ無差別にあれだけ多くの人が路上で殺されたのかということが盛んに議論された。

欧米諸国(西側)では、往々にしてキリスト教もしくはイスラム教が原因でこの種の犯罪が起こる。我々の社会では原因は一言で説明される。つまり「性的欲求不満」である。

加藤智大容疑者には恋人がいなかった。女の子達に幻想を抱いたものの、なんのアプローチも出来なかった。なぜなら、自分が醜く、不器用で魅力がないと感じていたからだ。恋人ができなかったから、魅力的になる代わりに、自身の内気さを乗り越える代わりに、秋葉原へ行って女の子達を殺す事を選んだ。加藤容疑者は他人に復讐をした。

加藤容疑者はろくでなしの典型である。一切の謝罪をせず、自分を、臆病者で無力な人間としてふるまった。

そして、自分は今、自らを犯罪者にした日本の社会を非難しているのだと続ける。
責任を取る事ができないので、加藤容疑者は常に他人に原因を探すだろう。

「女の子はあまりにも俗っぽい」
「女の子は愛するに値しない」
「女の子はいつもお金の事ばかり考えている」

自分の宗教(キリスト教、もしくはイスラム教)の教えのために欲望を抑圧する欧米諸国の男達からこのフレーズはよく聞かれる。

一神教の信者にとって、女性は悦びのシンボルである。だからこそ、罪なのである。欲望は抑圧しなくてはならない。

そこに、欧米諸国に多くの殺人者がいる理由がある。男達は、自分の欲望を押さえつけ、そして悩む。

しかし、日本では欲望と悦びは罪ではない。反対に、日本の文化は性を禁じない。

そこに、加藤智大容疑者が一切の謝罪をしない理由がある。加藤容疑者の行動はろくでなしそのもので、論拠は最低なものである。

加藤容疑者は勇気(フランスで言うところの「タマ」)のない男なのだ。もっと女性とコミュニケーションをとる術を学ぶべきだった。

私は、世界で起こる犯罪の大多数がただ単に、自分の欲望を敢えて満たそうとしない男達の勇気の欠如であるということを確信している。

文・=アニエス・ジアール


アニエス・ジアール、1969年9月1日生まれ。

母親が自由思想<libertinage>の専門家だったため、ジャン・ジュネの『薔薇の奇跡』を読んでSMに目覚める。完璧に手入れの行き届いたビニール素材、革のグローブ、黒い軍服、レンジャー部隊の制服や手錠が好きなのはそのためである。

17歳までアフリカで暮らし、現在は、パリでカウンターカルチャー専門のジャーナリストとして生計を立てている。



性に関するコラムをリベラシオン誌で連載し、9年以上日本の『S&Mスナイパー』の特派員をしている。

著書に、『フェティッシュモード』(ワイレア出版,2003年)、『ビザール・セックス』(作品社より近日発売)、『エロティック・イマジネーション in ジャパン』(2009年に河出書房新社より発売予定)がある。『Dictionnaire de l’amour et du plaisir au Japon(日本の愛と悦びの辞典)』(宇野亜喜良、田亀源五郎、沙村広明、水野純子、金子國義、等の現代の日本人アーティストとコラボしたもの)が2008年11月にフランスから出版される。

フランシス・ドゥドブラー、1961年ブリュッセル生まれ。

ヨーロッパにおけるSMの先駆者。17歳のときに、フェティッシュ・パンクについて、初めて自身のコラムを書く。1984年に大きな問題を起こし、ブリュッセル市議会と10年以上裁判で戦う(その時代、ベルギーではポルノグラフィー、妊娠中絶、「反道徳的」な性行為が禁じられていた)。

売春婦を擁護したために社会党から追放されたフランシスは、権力や習慣に疑問を持つブリュッセル国内のフェティシストに向けた初めてのパーティを開始する。

1995年、パリへ移り、髪を真っ赤に染めあげ、フランスで最大規模となったフェティッシュ・パーティ“la Nuit Elastique(柔軟な夜)”を開催。それと同時に、“デモニア”というパーティの共同オーガナイザーを務める(デモニア:年1回の開催で、世界中から1500人〜2000人のフェティッシュな人々が一堂に会する)。

また、写真家として、パリのアートギャラリーで、日本を特集したエキシビジョンに数回参加。

アニエス・ジアール、フランシス・ドゥドブラーの2人は、1999年からパートナーである。


agnes-francis.jpg アニエス・ジアール - AGNES GIARD -
1969年生まれ。カウンターカルチャー専門のジャーナリスト。S&Mスナイパーにて “Fetish News Express” 連載。

フランシス・ドゥドブラー - Francis Dedobbeleer -
1961年生まれ。写真家。フランス最大のフェティッシュ・パーティ “la Nuit Elastique” オーガナイザー。

アニエス・ジアール=LE SEXE BIZARRE - Le site du livre
フランシス・ドゥドブラー=Demonia Magazine

11.20更新 | WEBスナイパー > コラム |







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