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The ABLIFE October 2011
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール(神の酒=おしっこ)愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える新連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール+言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。

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Consultation of life to drink delicious urine. For boys and girls.
第26回の受付案件
122、「男性と話せない」
123、「若いうちにしておいたほうがいいこと」
124、「彼がイラマチオ好きで……」
125、「ブスとイケメンのカップル、なぜ?」
126、「もしも戦争が起きたら」


122、「男性と話せない」
芳野先生、自意識過剰って言われちゃいそうですが、私は男性のことがホンットに苦手で……!! 男性を前にするとどう振る舞っていいのか、頭が真っ白になってしまいます。同性だけのグループだったら普通にはしゃいで盛り上がったり、私が笑わせ役になったりして、むしろ話の中心になることもできるんですけど、そこに男性が入ると途端に……。もうどう接していいか、ぜんぜん分からないんです。あ、私は20歳の専門学校生で、彼氏とか出来たことはもちろん一度もありません。芳野先生、こんな私に男性の立場からどうかアドバイスをお願いしますっ。。。。。(専門学校生/lilica)

言語は左脳を使うそうですが、女人は左脳右脳と両方使いが多いらしく、男よりお話上手、おしゃべりだということは、医学的にわかっております。
なんたって男は口下手で、女人の前にくると、それこそ「頭が真っ白になってしまう」のであります。
それ故、安心して、口のこわばった男共をホンローしたらよろしいのです。
和国(にほん)は、天照大神より女人上位の国ではありませんか。ご心配なく――。

No.46「脱処女への心構え」
No.102「結婚したい女です」
を、ご参考までにごらん下さい。

123、「若いうちにしておいたほうがいいこと」
芳野先生、こんにちは。私は24歳のショップ店員(♂)です。よく「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と言いますが、芳野先生にとって、若いうちにしておいてよかったこと、あるいは「これをしておけばよかった」と思うものってありますか? 雑誌時代の「S&Mスナイパー」で「芳野流神酒譚」を拝読してからのファンです。私は今のことろ、大した苦労はしていないのですが、夢はあって、将来は音楽の仕事をしたいと思いながらライブ活動などを細々と続けています。今できることを一生懸命やりたいと思っていますので、どうかアドバイスをお願いいたします。 (ショップ店員/堤)

あなたは、ご自分で立派な答を出していらっしゃいます。
「今できることを一生懸命やりたい」
これほどすばらしいことはありません。
「今できること」をなんでもいいから、お好きなようにおやり下さい。

「若いうちに苦労」したからといって、カロー死ということもありますし、ブラブラしていたってそのブラブラで成功したひともいますし、そのひとそのひとの人生ですから全くわかりません。
だいたい自分は「苦労」していると思っているひとは、それだけで終わってしまう方が多いのではないでしょうか。
「苦労」なんて考えるものじゃありません。


124、「彼がイラマチオ好きで……」
初めてメール致します。私は23歳の女で、今つきあっている彼がいます。彼は落ち着いた性格の優しい人で、将来は結婚できたらいいなと思っていますが、一つだけ悩ましい点があります。それは、彼がイラマチオ好きなことです。別にSMをしたりするわけではないのですが、中学生の時に初めて観たAVの中にイラマチオのシーンがあって、女の人が咽喉までオチンチンを突っ込まれてゲロを吐くところを観てから、フェラの時はつい咽喉まで入れたくなるんだそうです。私もエッチは嫌いではありませんし、できることは何でも応じたいと思うのですが、私がオエッとなって、涙を流して苦しんでるところを見ながら興奮してるんだと思うと、ちょっと不安な気持ちになります。そこで聞きたいのは、男の人には、好きな相手が苦しんでるところを見て興奮するという性癖が、一般的にあるのでしょうか。彼の「AVを観て……」いう説明だけでは、そこのところの細かい気持ちがよく分かりません。彼がドSの人とかだったらまだ想像できるのですが、そうでもないので、余計に混乱してしまいました。芳野先生は、彼の性癖のこと、わかりますか?(公務員/まりこ)

「好きな相手が苦しんでいるところを見て興奮する」のが、なんで「一般的」なのですか。
そんなことでコーフンするのは、トクベツな単なる彼の性癖です。
「ドS」であろうが「そうでもない」であろうが、ただ「イラマチオ」大好きなスケベ人間というだけの話です。
「エッチは嫌いでは」ないあなたのお口が、「咽喉まで入れたくなる」ような、奥深いおいしそうな濡れ濡れのお口なのでしょう。うらやましい。彼はあなたのお口と「つきあって」いるわけネ。

私の誌友(ファン)のひとりに、会社のストレスでほとんどインポになった御主人がおりました。
奥サマは、朝、御主人のフニャフニャをそっとお口に含んでは「いってらっしゃいませ」とやさしく送り出します。
夜、ようやく一日が終わったと、つかれきって帰宅した御主人のフニャフニャをそっと口に含み「おかえりなさいませ」。
これで「うつ」寸前の御主人を病気にさせなかったのですから、奥サマの愛情深いお口に感動しました。
でも、これ、マネしてもダメですよヨ。たまたま奥サマの行動が御主人の性癖と一致して彼に勇気をあたえたのですから。
その誌友(ファン)宅におじゃましたその日、「いらっゃいませ」って奥サマが私のフニャフニャをつまみ遊ばして、なんとお口にお入れ遊ばされたではありませんか……。
ショックで、あっという間に発射してしまいました。なんたって若かった。
亀頭と射精が咽喉直撃だからたまったものではありません。奥サマがムセテムセテ、嘔吐しそうに口をおさえていましたが「涙を流して」笑っていました。スミマセン。


125、「ブスとイケメンのカップル、なぜ?」
28歳、女、独身です。以前から時々思っていたことなのですが、なんだか醜い考えなので、今まで誰にも聞けずにいた謎があります。チビとかブスとかデブの女に限ってイケメンでスタイルのいい旦那とか彼氏がいるのは、どうしてなんでしょうか。統計をとったわけではないにせよ、実感として、ブス+イケメン(もしくは高収入)の一見不似合いなカップルは多いと思います。ちなみに私は美人の部類に入ってると思いますが、イケメンにフラれてばかりです。どうしてブスがいい男をゲットできるのか、男性の側の意見をぶっちゃけで教えて欲しいのですが……。(OL/K・S)

この質問は、古スギます。
昔からそうなっております。

いろんなひとの顔をあつめ電算処理しますと、なんと、その「平均顔」は美男美女になってしまうそうです。
美人の顔って「平均顔」なんですよ。
要するに、平均点の一番つまらない顔ってことかしら(失礼)。

参考文献 『解剖学個人授業』 著者=養老孟司、南伸坊
発売=2011年3月 出版社=新潮社

それと――御自分で美人だと思っていたとしても、相手はブスだと思っているかもしれませんヨ。
なんたってそう思うのは相手の男ですからネ、どう見られているのかわかりません。
美人の顔って、女らしさと色香だと思し召せ。
No.90「女らしさとは」をごらん下さい。

むかしむかし、中国は「越」の国に、伝説上の美女「西施(せいし)」がおりました。
「西施捧心(せいしほうしん)」と申しまして、彼女はいつも自分の胸に手をあて「西施のひそみ」と申して、いつも眉をしかめていたとか。
この美人ポーズが流行したそうですが、どうやら西施は胸を病んでいたらしく、美は美でも、不健康美だったようです。
ところで、「西施のオッパイ」というのもありまして……「フグの白子」のことだそうです。
西施のオッパイでお酒なんて……トホホ。


126、「もしも戦争が起きたら」
この頃、日本は隣国との摩擦が強くなっていて、頭のなかに「戦争」という言葉がちょくちょく浮かぶようになってきました。ネットでもその二文字を頻繁に目にします。そしてもし戦争になって、相手国の人間と向かい合ったら、自分はどうすればいいだろうと考えます。殺さなければ殺される、そんな状況下で、僕は自分が今まで培ってきた考え方や矜持を守ることができるのかと。気持ちの上では、たとえ戦争でも、僕は人を殺したくありません。でも自分のことや、大切な人のことを守るためと思えば、実際には相手を殺そうと考えるのかも知れません。もしも戦争が起きたら……相手国の人間と向き合う時のことを、芳野先生はかつて、もしくは今、どのようにお考えになって、心の準備をしていましたか? 不躾な質問で申し訳ありません。(会社員/江藤)

古代人に出会ったようでうれしく思います。
むかしむかし、中国に「杞(き)」という国がありました。
「杞」の人々は、天が落ちてくるのではないかと、オロオロ心配ばかりしておりました。
これを「杞憂」と申します。
取りこし苦労。

昭和20年3月10日東京大空襲で、B29から爆弾や焼夷弾を頭上に落とされていた私は、ただぼんやりとB29を見上げていました。
背後に大きな薬莢みたいなものが落下して飛び上がったけど。
8月14日(終戦記念日)ブラマンの機銃掃射を受け、おみやげの爆弾一ケで近くの大きな西洋館が消え、大穴だけが残りました。
かなりはなれた木の枝に、肉片がひっかかっていました。一家全滅。
「武器は持たないことにした」
「そうか」
「武器を持ったら誰かを殺さなくちゃいけない」
「武器を持たなくたって君は殺されるよ」
「そうかも知れない」
「戦争だからね」
『ベトナム戦記』(朝日文庫) 著者= 開高健
発売=1990年10月 出版社=朝日新聞社
(続く)



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WEBスナイパー編集部「あぶらいふ」係

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芳野眉美 作家・ネクタール愛飲家。1952年、『奇譚クラブ』に高校3年生の時に書いた小説「孤独なFANTASY」が掲載され、デビュー。翌年2月号の「硝子便所」で評価が固まり、以後ネクタール(神の酒=おしっこ)を題材にした小説の元祖として多くのマニア読者に指示される。また「あぶいらいふ」での連載「芳野流神酒譚」で綴られたファンタジックなまでに刺激的な実体験は、数多のファンに衝撃を与えた。現在は『SMマニア』(マイウェイ出版)にて不定期に新作を発表している。
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