特選AVレビュー『犯されました...と自演して／矢部寿恵 （ワープエンタテインメント）』

夫の留守中にかつて不倫関係にあった男に迫られ、強姦を装って身体を重ねる人妻。その時の快感が忘れられず、やがて他の男とも情事を重ねていくようになり......。美熟女女優・矢部寿恵の熱演が光る、本格官能ドラマ作品。
専業主婦のヤエコは、かつての自分の勤め先の社長であり、不倫相手でもあった男と偶然の再会を果たす。
現在は会社も妻も失って宅配業者として生計を立てている彼は、昔の愛人との再会で恋心と情欲に火をつけられ、ヤエコに迫っていく。
夫を裏切ることへの罪悪感と、昔愛した男から再び求められる悦びのジレンマに陥ったヤエコは、目出し帽を被って泥棒として自宅に侵入し、自分を強姦しに来ることを提案する......。

主人公の人妻ヤエコを演ずる矢部寿恵をはじめとした演技力の高い役者たちに、高画質の美しい画面、そしてよく練られたストーリーと、思いっきり気合いの入った本格ドラマAVである本作。
AVと言うよりはポルノ映画を観ているような感覚になるほど、SEXシーン以外もしっかり作り込まれています。

たとえば、本作の冒頭はヤエコと夫（演じるのはベテラン男優の森山龍二）がリビングで紅茶を飲むという何気ないシーンから始まるのですが、そこが後の展開で重要な伏線になっていたりと、とにかくムダなシーンはひとつもないと言ってもいいぐらい隙のない演出がなされています。
また、かつての愛人とレイプを装った浮気をする前に、シャワーを浴びて身支度を整えるシーンの丁寧な描写や、彼が自分の元へ近づいてくるのをドキドキしながら待つ場面などは、特別なSEXをする直前の女の高揚感を見事に表現していますね。

それだけ期待をしていたくせに、いざSEXが始まると目をかたく閉じて仕方ないという態度で抱かれてしまうヤエコには、女のズルさがよく出ています。
しかしそんな彼女に対し、手をしっかり繋ぎながらの情熱的なキスとクンニで、身も心もじっくりほぐしていく男。
強姦を装うどころか、愛と欲情に満ちたエロエロSEXになっちゃってるもんだから、そりゃこれでオチない女はいないですよ。
感じまくってメロメロになっている彼女に、とどめをさすように「ほら、君が四六時中握って放さなかった、アレだよ」とチンポを突きつける男。
「洗ってないぞ、この匂い好きだろ。もっと嗅げよ、好きにしていいんだぞ」とヤエコの顔にチンポをグイグイ押し付けると、ついに陥落。
自分からチンポの匂いを嗅いでイヤラシい舌遣いでしゃぶりまくり、金玉まで丁寧に吸い上げるという超絶フェラテクを繰り出します。
この後は自分から騎乗位で挿れたり、「社長、もっと突いて」と言いながら腰を振りまくったりと、抑えていた性欲を爆発させるヤエコですが、やっぱりこの人が一番エロいのはフェラ。
最後に口内射精された後のお掃除フェラも、もう一戦始まっちゃうのかと思わせるほどのテンションだし、こぼれた精液まで愛おしげにすくって飲んじゃうのも良いんですよ。

あと、ヤエコが感じた時に足の指にグッと力を入れる様子をアップで映すなど、普通のAVではスルーされるような部分を拾い上げる演出が、これまたニクい。
筆者も性行為で感じる時に足に力を入れてしまうタイプなので、この描写にはすごくリアリティを感じられたんですよね。

SEXが終わると男は彼女の前から姿を消しますが、一度火がついてしまったヤエコの身体はもう夫だけでは満足できなくなってしまい、また新たなる男を連れ込んで情事にふけってしまう......。
というのが後半の展開ですが、ここを詳しく書くと前述した伏線のネタバレになってしまうので、割愛させて頂きます。
ただ一言だけ言わせてもらうと、後半はSEXそのものよりもドラマ展開のほうがより重要性が高いので、ヌキ目的よりはサスペンスドラマを観るようなテンションで臨むが吉！

AVとは思えないほどのドラマ性の高さと創意工夫のなされた演出に、思わず見入ってしまう本作。
ぜひとも早送りはせずに最初から最後までじっくりご覧頂きたい一本です。

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