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第一問「 性的不満でお悩みの障害者女性の為に」第二問「夫に先立たれた未亡人との交際ポルノ」鬼才・ヘンリー塚本監督が描き続ける現代社会への問いかけ、「大人の交際」シリーズ!昔風な台詞まわしや映像の質感には昭和イズムを感じさせるのに、テーマはいまだになかなか認知されていない「女の性欲」に真正面から向き合ったものになっているのが、ヘンリー塚本作品ならではの魅力ですね。
最初のパートは「性的不満でお悩みの障害者女性の為に」ということで、脊髄損傷で歩くことができず、25歳という若さにも拘わらず出会いのない生活を送る女性・吉永美也子を、桐原あずさが演じます。
冒頭は「ブス女、化け物」と鏡に映った自分に吐き捨てる美也子のアップ。
その頬には、恐らく脊髄損傷をした事故時に負ったであろう大きな傷跡があり、そこに手を当てながら自分の顔を睨みつけています。
もういきなりこの冒頭シーンが、昔の自分を見せられてるようでグッサリ突き刺さりましたねぇ。
筆者も思春期は顔のニキビがひどく、いつも鏡を見ながらやり場のない辛さを抱え、26歳まで非モテ処女を貫いていたものですから......。
そのまま鏡で自らのおまんこを見ながら、オナニーしてイッた後、ひとりで床を這ってトイレに行く美也子。
この床を這うシーンをじっくり見せるところにも、ドラマに対するこだわりをひしひしと感じました。
AVでこういう部分までこだわる作品って、なかなかないですからねぇ。
そして美也子の母親が帰宅。
美也子が通販で注文したバイブとローターを開封してしまい、取り乱す美也子。
「男が欲しいの。こんなもの使いたくない。おまんこしたいの! おまんこしたい!」と泣き叫ぶ美也子に、見かねた母が「セックス介護士(要は障害者女性用の出張ホスト)」を呼ぶことに。
このセックス介護士の設定がまた、「2時間3万円・チェンジ可」だの「30分延長ごとに5千円」だの、やけに細かくてリアルなところが、説得力があるんですよね。
そしてやってきた二人の看護士に、二人同時に相手をするように要求する美也子。
まずはお風呂に入れてもらってから、プレイに入っていきます。
美也子の身体を二人がかりで隅々まで洗い、介護士たちも服を脱ぐとすっかり勃起しています。
まずはベテランの先輩介護士からキスをして、「マラしゃぶりますか」と美也子にフェラをすすめます。
いやぁ、この「マラ」という言葉のチョイスに、昭和イズムを感じてジュンッときますねぇ。
その後69をしてから正常位で挿入し、交代した後輩介護士にはバックでハメられて、喘ぎまくる美也子。
その声は一階で待機する母のところにまで響いており、思わず欲情してしまった母が夫に電話でセックスのおねだりをする場面も。
セックスが終わった後にまたお風呂に入れられるのですが、そこでも二人と代わる代わるにキスやフェラをして、最後までじっくり楽しむ美也子。
障害者でなくとも、「利用しやすい女性向け風俗がもっとあればいいのになぁ」と常々思っている筆者としては、理想的なエピソードでしたね。
後半パートは「夫に先立たれた未亡人との交際ポルノ」ということで、夫を亡くして2年経つ五十路の未亡人・寺沢しのぶを、霧島ゆかりが演じます。
毎朝ミルク配達をするしのぶは、いつものように配達していたある日、電柱に貼られた「未亡人との交際求む」というビラを見つけます。
帰宅後改めてビラを眺めてから、仏壇に飾られた夫の遺影に見せつけるようにオナニーを始めるしのぶ。
「亡くなった夫以外の男と結婚する気はないけど、セックスだけはしたい」という彼女は、葛藤の末に思い切って電話をかけることに(またこの電話がダイヤル式の黒電話なんですよねぇ。ああ、昭和イズム......)。
電話をかけ終えた後、彼女の複雑な気持ちを吐露するモノローグが入ります。
「生理はなくなりましたが、月に一度決まったときに身体が疼くのです」「独り寝の夜の布団の中でみっともないほどまんこをこすって、その鬱憤を晴らします」などなど、未亡人の欲望と葛藤が渦巻いた独白に、思わず胸が締めつけられました。
そして後日ビラの男性とラーメン屋で待ち合わせ、一緒に食事をとった後、しのぶの家に誘います。
リビングで、彼も3年前に妻を亡くしているという身の上話を交わした後、サッと隣の部屋に布団を敷き、裸になって彼を呼ぶしのぶ。
「ゴムはめませんけど、中に流し込んでもいいですか」という要望にも「かまいません、ピル飲んでますから」と快諾。
前戯もそこそこに、正常位やバックでハメまくり、宣言通りのナマ中出しされてしまいます。
またこのしのぶを演じている霧島ゆかりが、ちょっとたるんだ柔らかそうな身体に、ぶるんぶるん揺れる巨乳で、熟女フェロモン出しまくり!
セックスが終わって帰り際に「なぜ未亡人に興味が?」としのぶが問うと「私は男の未亡人、あなたも未亡人」と彼が答えるシーンにも、男の哀愁が感じられてグッときました。
その後、今度はいつも朝の配達時に挨拶を交わしている年下の新聞配達員にラブレターを渡されます。
「鼻の大きな男......たぶんペニスもでかそう」ということで、「セックスだけのお付き合いならOK」と返事を出すしのぶ(「鼻大きい=チンコでかい」って、すっごい都市伝説くさいけど......)。
翌朝にはさっそく配達終わりに待ち合わせ、しのぶの家でセックスに突入します。
相変わらず前戯もそこそこにとっとと挿入するセックスなのですが、相変わらずしのぶはすごい気持ち良さそうだし(たぶんこの人は挿入至上主義......)、今回は年下のせいか少し遠慮がちだったり、キスをたくさんしたりするところが良いなぁと思いました。まぁ結局ナマ中出しはするんですけど。
最後に夫の仏壇に線香をあげながら、「今回はこの前の人よりでっかいペニスをしていました。あなたのはごく普通の大きさでしたね」だの「かつてあなたのペニスがおさまっていたまんこに、あなた以外のペニスをくわえこむってたまりません」だの、割と好き放題なしのぶの語りかけで幕を閉じます。
最後には、抽象空間の中で男とセックスするしのぶや、美也子としのぶのストリップなどのオマケ映像も入っていて、サービス精神旺盛な本作。
一般的なAVと比べるとセックスシーンのボリュームはかなり少ないですが、個人的にはこのくらいが丁度いいですね。
それに尺が短い分、女優、男優の欲情が画面から匂い立ってくるような濃厚なセックスを見せてくれますし、まさに量より質といったところ。
そして溢れる女の性欲を昭和テイストで描ききるヘンリー塚本監督の演出力は、まさに唯一無二。
「AVなんてつまらない」と思っている現代っ子にこそ、是非観てほしい作品ですね。
文=まな
ヘンリー塚本が描き続ける現代社会への問いかけ、「大人の交際」シリーズ!
『大人の交際ポルノ 性的不満でお悩みの障害者女性の為に/夫に先立たれた未亡人との交際ポルノ』 (FAプロ)
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13.02.23更新 |
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