Harmony Concepts, INC.
米国ハーモニー・コンセプツ社の魅力を探る二大インタビュー! 『隷嬢寫眞館』水村幻幽氏 『fetish stage』MIKEY氏 心に疼くボンデージがある! 【2】 文・インタビュー=編集部 |
ブライアン・デイビス、ジェイ・エドワーズ……様々なブロデューサーがハーモニー社からデビューしていった。
『fetish stage』 MIKEY氏に聞く、米国のボンデージ事情
MIKEY氏は1998年、TV等映像関係の什事をしていた当時、たまたまアメリカに行くことがあったという。
M:「向こうに知り合いがいて、そいつがSM好きだったんですよ。そいつがボンデージビデオの製作会社でバイトするか? お前日本で映像のアートワークやってるから出来るだろうなんて言われて。それがきっかけ」
最初のギャラは500ドル。これは当時米国のボンデージビデオに出演している安いモデル(彼女たちの多くは下着を脱がないし、胸も見せない)のギャラと同等だという。それからしばらくしてバイトではなく直接撮影の依頼が来る。遊びではなく撮影のためにアメリカに来いと言われた。そしてギャラは最初の倍になった。
M:「モデルはこの位置がいい、拘束はこうしてとか、照明はこうでとか。いわゆるスーパーバイザーですね。そのとき周りのスタッフに、ボンデージを研究したいから何かいいものはないかって聞いたの。そしたらこれを見て研究しろって。それがアローフィルムズのジェイソン・コードだった」
最初は8ミリフィルムで、そして80年代に8ミリビデオを使ってポンデージ作品を撮っていたというプロデューサーのジェイソン・コード。英国に同名の映画会社があるのだが、残念ながら彼らのアローフィルムズは現存しない。
M:「ジェイソン・コードのコンセプトっていうのは素晴らしいのね。喘ぎ声とかを入れなかったんですよ。やっぱり喘ぎ声とか出ちゃったりするらしいのね、モテルさんも。でも彼らはそれに音楽をかぶせたりしてつぶしちゃうんですよ。あくまでポルノじゃないという立場を貫いているわけです。それにえらく感動しちゃいましてね。こいつらホンモノだーって。ジョンとかクロウとかに通じる部分があるじゃないですか」
そんなアロー・フィルムズは作品の販売権をハーモニー社に売ってしまい自然消滅。ジェイソン・コードはハーモニー社から直接予算を受けプロデューサーとして立ち上がる。
M:「ハーモニー社に移ってもジェイソン・コードの誇り高い精神は損なわれなかったんだよね。Bシリーズってのがあって。ボンデージのB。170本くらい出てるはずだけど、ジェイソン・コードに限らずいろんなブロデューサーがここからデビューしてるんですよ」
サリー・ロバーツ、ローレル・ブレイク、テリー・マーティン……。80年代ハーモニー社を代表する人気モデルたちはジェイソン・コード、そして同じくアロー・フィルムズ出身のマーク・マーらによって生み出された。
M:「80年代の後半にはブライアン・デイビス、ジェイ・エドワーズとかモデルのシモーヌ・デボン、今でも第一線で活躍している人たちが、それぞれ自分の頭文字を取ったシリーズでハーモニー社からデビューするんです」
こうしてハーモニー社はボンデージビデオメーカーとしての地位を固めていった。そして現在の米国ボンデージ業界の主流は、彼らが同社から派生して作ったものであるらしい。クローズアップ・コンセプツ、デボンシャー・プロダクション、ボンド・グループなど。だが今でもヒエラルキーのトップにいるのは、ハーモニー社であるという。
M:「インディペンデントのボンデージビデオメーカーはいくらでもあるんです。でもハーモニー社はもうインディペンデン卜じゃないんですよ。『ボンデージ・ライフ』とか、雑誌を作ってる時からビデオの通販をやってきたわけだから。それでも昔はね、ビデオを買った人にしかわからないようなパスワードとかあったんだよね、ホ−ムペ−ジの。これをホームページに行って入力しろとか、最後に出てくるわけ。すごいマイノリティだったんです。そういうのたまらんなーって思ってましたね。ビデオだとパッケージとかなかったからね。背中のラベルしかなかった」
そんなハーモニー社だが、アメリカではいったいどのように受け止められているのだろうか。
M:「ハーモニ−社っていうのは、日本で言うところのシネマジック、アートビテオかな」
彼らが日本においてもっとも一般的なSMメーカーであるように、ハーモニー社も米国ではユーザーを裏切らないレーベルとして、信頼性が高いと認識されている。誤解のないようにもう一度説明させていただくが、日本のSMビテオとは異なり、セックスシーンはもちろんのこと、モデルがフルヌードのものすらない。ご存知の方も多いと思うが、米国では暴力的な表現に厳しい規制がある。拘束した状態での挿入(バイブ、ディルドオ含む)はもちらんフェラチオすら許されない。それらは全てレイプ行為に相当するとして、取り締まりの対象になるらしい。
M:「普通のポルノはポルノショップに置いてあるんですよ。みんなそこで買うんだ。でもボンデージは置いてないの」
ハーモニー社のビテオは通信販売でしか買うことが出来なかった。しかし注文すれば、米国内の送料は無料。そして先頃DVDでの展開が始まり、店頭に並ぶようになったという。また日本でもブロードバンド環境の整備に伴いウェブ上でのストリーミングが普及しているが、ハーモニー社のダウンロードコンテンツも充実しており、変わりゆく現状を見極めた戦略がなされている。『ボンデージライフ』の廃刊も時代の流れといえるだろう。
M:「ホントに今現在ここを超える歴史を持ってるところはないからね。ナンバーワンです」
米国ハーモニー社とその周辺。実際はさらに複雑らしいが、ひと通りはご理解いただけたのではないだろうか。ではもう一人、水村幻幽氏に実践者としての話を伺うことにしよう。
S&Mスナイパー9月号特別付録DVDに
米国ハーモニー・コンセプツ社の作品を収録!
1990年代前半、大洋図書が発売していたハーモニー社のボンデージビデオ、その復刻DVD化シリーズ第2弾として選ばれたのが「DARLA CRANE'S TIED IN TIME : A PLAY ON HISTORY」です。収録時間の関係で抜粋になりしましたが、この作品はハーモニー社のサイトにも載っていないため全世界初DVD化となります。しかも未公開部分を追加した拡大版です。
LOVE BONDAGE FANTASY
DARLA CRANE'S TIED IN TIME
A PLAY ON HISTORY
PN-4 BY HARMONY VIDEO
SM界の衝撃ベストセラー誌SNIPER9月号
7月28日(土)発売!
『fetish stage』 MIKEY氏に聞く、米国のボンデージ事情
MIKEY氏は1998年、TV等映像関係の什事をしていた当時、たまたまアメリカに行くことがあったという。
M:「向こうに知り合いがいて、そいつがSM好きだったんですよ。そいつがボンデージビデオの製作会社でバイトするか? お前日本で映像のアートワークやってるから出来るだろうなんて言われて。それがきっかけ」
最初のギャラは500ドル。これは当時米国のボンデージビデオに出演している安いモデル(彼女たちの多くは下着を脱がないし、胸も見せない)のギャラと同等だという。それからしばらくしてバイトではなく直接撮影の依頼が来る。遊びではなく撮影のためにアメリカに来いと言われた。そしてギャラは最初の倍になった。
M:「モデルはこの位置がいい、拘束はこうしてとか、照明はこうでとか。いわゆるスーパーバイザーですね。そのとき周りのスタッフに、ボンデージを研究したいから何かいいものはないかって聞いたの。そしたらこれを見て研究しろって。それがアローフィルムズのジェイソン・コードだった」
最初は8ミリフィルムで、そして80年代に8ミリビデオを使ってポンデージ作品を撮っていたというプロデューサーのジェイソン・コード。英国に同名の映画会社があるのだが、残念ながら彼らのアローフィルムズは現存しない。
M:「ジェイソン・コードのコンセプトっていうのは素晴らしいのね。喘ぎ声とかを入れなかったんですよ。やっぱり喘ぎ声とか出ちゃったりするらしいのね、モテルさんも。でも彼らはそれに音楽をかぶせたりしてつぶしちゃうんですよ。あくまでポルノじゃないという立場を貫いているわけです。それにえらく感動しちゃいましてね。こいつらホンモノだーって。ジョンとかクロウとかに通じる部分があるじゃないですか」
そんなアロー・フィルムズは作品の販売権をハーモニー社に売ってしまい自然消滅。ジェイソン・コードはハーモニー社から直接予算を受けプロデューサーとして立ち上がる。
M:「ハーモニー社に移ってもジェイソン・コードの誇り高い精神は損なわれなかったんだよね。Bシリーズってのがあって。ボンデージのB。170本くらい出てるはずだけど、ジェイソン・コードに限らずいろんなブロデューサーがここからデビューしてるんですよ」
サリー・ロバーツ、ローレル・ブレイク、テリー・マーティン……。80年代ハーモニー社を代表する人気モデルたちはジェイソン・コード、そして同じくアロー・フィルムズ出身のマーク・マーらによって生み出された。
M:「80年代の後半にはブライアン・デイビス、ジェイ・エドワーズとかモデルのシモーヌ・デボン、今でも第一線で活躍している人たちが、それぞれ自分の頭文字を取ったシリーズでハーモニー社からデビューするんです」
こうしてハーモニー社はボンデージビデオメーカーとしての地位を固めていった。そして現在の米国ボンデージ業界の主流は、彼らが同社から派生して作ったものであるらしい。クローズアップ・コンセプツ、デボンシャー・プロダクション、ボンド・グループなど。だが今でもヒエラルキーのトップにいるのは、ハーモニー社であるという。
M:「インディペンデントのボンデージビデオメーカーはいくらでもあるんです。でもハーモニー社はもうインディペンデン卜じゃないんですよ。『ボンデージ・ライフ』とか、雑誌を作ってる時からビデオの通販をやってきたわけだから。それでも昔はね、ビデオを買った人にしかわからないようなパスワードとかあったんだよね、ホ−ムペ−ジの。これをホームページに行って入力しろとか、最後に出てくるわけ。すごいマイノリティだったんです。そういうのたまらんなーって思ってましたね。ビデオだとパッケージとかなかったからね。背中のラベルしかなかった」
そんなハーモニー社だが、アメリカではいったいどのように受け止められているのだろうか。
M:「ハーモニ−社っていうのは、日本で言うところのシネマジック、アートビテオかな」
彼らが日本においてもっとも一般的なSMメーカーであるように、ハーモニー社も米国ではユーザーを裏切らないレーベルとして、信頼性が高いと認識されている。誤解のないようにもう一度説明させていただくが、日本のSMビテオとは異なり、セックスシーンはもちろんのこと、モデルがフルヌードのものすらない。ご存知の方も多いと思うが、米国では暴力的な表現に厳しい規制がある。拘束した状態での挿入(バイブ、ディルドオ含む)はもちらんフェラチオすら許されない。それらは全てレイプ行為に相当するとして、取り締まりの対象になるらしい。
M:「普通のポルノはポルノショップに置いてあるんですよ。みんなそこで買うんだ。でもボンデージは置いてないの」
ハーモニー社のビテオは通信販売でしか買うことが出来なかった。しかし注文すれば、米国内の送料は無料。そして先頃DVDでの展開が始まり、店頭に並ぶようになったという。また日本でもブロードバンド環境の整備に伴いウェブ上でのストリーミングが普及しているが、ハーモニー社のダウンロードコンテンツも充実しており、変わりゆく現状を見極めた戦略がなされている。『ボンデージライフ』の廃刊も時代の流れといえるだろう。
M:「ホントに今現在ここを超える歴史を持ってるところはないからね。ナンバーワンです」
米国ハーモニー社とその周辺。実際はさらに複雑らしいが、ひと通りはご理解いただけたのではないだろうか。ではもう一人、水村幻幽氏に実践者としての話を伺うことにしよう。
(続く)
S&Mスナイパー9月号特別付録DVDに
米国ハーモニー・コンセプツ社の作品を収録!
1990年代前半、大洋図書が発売していたハーモニー社のボンデージビデオ、その復刻DVD化シリーズ第2弾として選ばれたのが「DARLA CRANE'S TIED IN TIME : A PLAY ON HISTORY」です。収録時間の関係で抜粋になりしましたが、この作品はハーモニー社のサイトにも載っていないため全世界初DVD化となります。しかも未公開部分を追加した拡大版です。
LOVE BONDAGE FANTASY
DARLA CRANE'S TIED IN TIME
A PLAY ON HISTORY
PN-4 BY HARMONY VIDEO
SM界の衝撃ベストセラー誌SNIPER9月号
7月28日(土)発売!
07.07.21更新 |
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