たとえSMマニアではなくとも、彼のその姿、その作品を一度は目にしているのではないだろうか。それほど多くの作品に関わり、多忙な日々を過ごす乱田舞。だからこそ足を止めることなく走り続ける、新たな時代のキーパーソンである。そんな彼の想いは深く、そしてとても大きく見える。 |
photo サコカメラ |
見つめてきた背中が
語りかけてくること
――その先ほどの小さな店を訪れるというのは、ある意味、20年前にスイートルームを借り切ってやっていた乱田さんの原点ですよね。明智さんのショーを見たことで一旦は否定したモノにもう一度目を向ける……。そう思われたのは何故だったんでしょう。
乱:地方にはよくライブで行ったりするんです。地方のお客さんはほんとにピュアで。濁りのない心を持ってて。変にかっこつけがないんですよね。例えば北海道行ってショーやって、終わった後お店で一緒にお茶飲んだりしてるとですね、ほんとに飾りがない。そういう人たちが喜んでくれる姿を見ると、そういう人たちが持ってるパワーがね、もっと全国に拡がれば、SMっていう世界がもっともっと活気溢れるものになる、そういう気がしてますね。
――老人ホームでやりたいというのも、SMの世界を押し上げることに繋がっていると思います。
乱:ひとつの提案で、僕がやるからとかいうことではなく、お年寄りにもファンタジ―をってことですかね(笑)。絶対長生きしますよね、エッチだと。年齢関係なく楽しめるし、吊ったり、鞭で叩いたりだけがSMだと僕は全然思ってないから。精神的な部分で楽しめるんだよっていうことをね。だから、老人ホームでショーをやるときは縄一本だけ使ったショーをね、おじいちゃんもおばあちゃんもできるんだよこれでっていう。たとえ10分でも15分でも、ほんと短いショーでいいと思うので、そういうのやれたらね。ここ1、2年かな、考えるようになりましたね、自分がこういう年になって。だんだん体が動かなくなって、もしそうなったときに自分も続けていたいと思うし、明智さんの姿ももちろん見ていたし。あの這ってでも舞台っていう姿を。だったらそれを伝えていかなきゃっていうか、実践していかないと、とは思ってますね。すごくそれは思う。
(続く)
インタビュー=編集部・五十嵐彰
※この記事はS&Mスナイパー2006年1月号に掲載された記事の再掲です。
乱田舞 1959年生まれ。緊縛師としてビデオ、Vシネマ、テレビ、雑誌、写真集、舞台などで積極的に活躍。また日本だけではなくアメリカやヨーロッパでも活動する。ビデオやVシネマと舞台では監督、脚本、演出も手掛け、関わった作品は1000本を悠に超えるほどである。
関連リンク
乱田舞公式サイト『−乱舞−』=http://ranbu.32ch.com/
Bar 乱舞館=http://ranbukan.32ch.com/
サコカメラ公式サイト『WWW.SACO-CAMERA.ORG』=http://www.saco-camera.org/
関連情報
乱田舞プロデュース 『SM LIVE SHOW DX act2』開催!
開催期間:2007年3月21日(水)祝日〜31日(土)
※3月25日(日)、及び31日(土)は特別興行となるため、開催時間及び料金システムが異なりますので、ご注意ください。
会場・お問い合わせ:『新宿DX歌舞伎町』
東京都新宿区歌舞伎町2-25-10/TEL03-3232-9946/URL=http://www.dxk.co.jp/
料金:男性8,000円/女性5,000円
出演者:香盤表