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onanistic pacifism by “maestro”Endo Yusa.
揺れましたねえ、もう一生分揺れたって感じですねえ。
未曾有の大地震から一週間。みなさんいかがお過ごしですか。オナニーマエストロ遠藤です。
いやあしかし、パラサイトを卒業して実家を離れた途端にこの惨事ですよ。
実家のある長野はたいした被害もなかったようでホッと胸をなでおろしたものの、もし家人たちに何かあったら居ても立ってもいられなかっただろうなあ。なんといっても65歳と96歳の老女に、入院中の父親。考えただけで背筋が寒くなります。
東京にいる自分も、電車が止まって同居人は帰れなくなるわ、友達と連絡は取れないわ、いつまでもグラグラ余震は続くわ……被害をダイレクトに受けた被災地の方々に比べればたいしたことないと思いつつも、やっぱり心細くなかったと言えば嘘になる。
私はどっちかというと危機感のないのほほんタイプだと思ってたんですが、この地震はけっこうズンときました。
本来なら今回は“実家暮らし卒業記念お風呂オナニー”をお送りするはずだったんですが、さすがのマエストロも真っ昼間からアヘアヘする気にはなれません(贅沢は敵!とは思わないけど、あったかい風呂に浸かって電マの振動が強いだの弱いだのブツブツ言うのはさすがに気が引ける。それに何より、素っ裸で股間にシャワー当ててるときにでっかい余震なんか来たら……ああ、こわすぎる!)。
というわけで急遽内容を変更して、地震とその後のあれこれなどをつらつら書いてみようと思います。
前回のコラムにも書いたように、最初の揺れがあったのはちょうどあの原稿を書いてる最中。
そりゃもう揺れましたよ。家賃の安さに惹かれて激古マンションを借りてしまった自分の貧乏根性を後悔したけど後の祭り。「崩れたらシャレにならん!」と携帯と財布をひっつかんで急いで外に飛び出したら、電柱や近所の高級マンションもグラングラン揺れててびっくり。
しばらくしたら揺れが収まったので靴を履いたまま部屋に戻り、いつでも逃げ出せるようにダウンを着てテレビをつけたら、画面には車や家がどんどん流されてくパニック映画みたいな映像が。実家に電話をかけてみたけどつながらない。そしてまた来る激しい余震。
“日本沈没”とか“世紀末”とかいう言葉が脳裏をよぎる中、なんかしてないと落ち着かないのでテレビのニュースとツイッターを気にしながら、とりあえずオナニー原稿再開。
今になって思い返してみると、ツイッターがつながってたのはありがたかったですね。家で一人でいた人は、みんなそう思ったんじゃないでしょうか。
携帯ではまったく連絡とれなかったけど、フォローしてる人たちのつぶやきで安否がわかったり、街のリアルな様子がわかったり。
あと、一人で家にいた人は特にそうだと思うんだけど、テレビで津波だの原発だのって事実だけ見てると、不安ばっかりどんどん大きくなっちゃうんですよね。
近しい人となかなか連絡つかずどんよりしてる中で、知ってる人の生のつぶやきが見られるっていうのは、誰か横にいるみたいですごく安心できました。
ちょっと前まではサーバが不安定ですぐに落ちてたのに、やるときゃやるな。ツイッター!
そして、さらに感動したのが佐川急便。
前々からジャパニーズ運送業界のガッツには一目置いていたマエストロですが、その思いを新たにしましたね。
地震から30分後、余震にビクつきながらパソコンに向かっていると、玄関のチャイムが鳴り「遠藤さーん、お届け物でーす!」の声が。
心細さに目を潤ませながら出ていくと、
「配達指定時刻より遅れちゃってすみませんー」
――いや、いいんですよ。っていうか、お兄さん地震大丈夫? さっきすっごい揺れてなかった?
「揺れましたよー! じゃ、ここにハンコを……ハイ、あざーっしたー!」
小走りで駆け出す青いポロシャツ。なんだその平常心とプロ根性。
ここだけの話、おばちゃんちょっと泣きそうになってしまいました。
ありがとう、佐川。これから宅急便が1日や2日遅れてもブツブツ言わないよ……。
そして、兄ちゃんがそんな怖い思いをしながら体を張って届けてくれたのがこちら。
いやあ、これ配達してる途中でなんかあったら泣くに泣けないよな……。
でも、私にとってはたいへんありがたかったんですよ。股間から潮吹きだすバカなパッケージを見たら、フッと緊張感が解けたというか。「大丈夫」って気になれたというか。
人の顔を見て安心したっていうのもあるんでしょうが、こういう気持ちの人って多かったんじゃないでしょうか。
ブログやツイッター見ると、一人暮らしの女性なんかは特にそんな感じがしました。テレビ観ると不安になるけど観ずにはいられないし。現地の人のことを考えると、無事な場所にいる人間が目をそらすのも申し訳ない気がするし。難しいところです。
そうこうしてるうちにどうにか実家にも連絡が取れ(ばあちゃん曰く「気づかずに寝ていた」らしい。年寄りってすげえ)、ようやく一息。
で、それから数日の間マエストロがどうしていたかといいますと、家にある程度の食糧があるのをいいことに、テレビを観ながらすっかり引きこもりを決め込んでおりました。
都心部に限って言えば、ジワジワ来たのはむしろ翌日からって感じでしたね。電車が止まり、原発のニュースに怯え、スーパーから物がなくなり……。サイレンの音がひっきりなしで、夜も携帯に緊急ニュースのお知らせが入るたびビクッとなって眠れない。
余震ばっかりで怖いし、電車止まって帰れなくなったらと思うと外に出る気も起きません。
まあ、普通に考えたらヒビの入ったようなマンションにいるほうがずっと怖いんですけど、こういうのって理屈じゃないんですよね。私のモラトリアムな一面がここぞとばかりに顔を出したわけです。
外に出るのが怖いから一人で部屋にいる。一人で部屋にいるから鬱々とする。鬱々としてると余計に外に出る気力がなくなる。ああ、なんという不毛なループでありましょう。
一番つらかったのは「笑っちゃいけないんじゃないか」って思ってしまうこと。
笑ったり酒を飲んだりして元気を出したいけど、被災地の被害の大きさを思うとそれは“不謹慎”。誰に言われるわけじゃなくても、やっぱりテレビから流れてくる深刻な状況を見るとそう思えちゃうんですよね。しまいにゃ風呂に入るのも自粛したほうがいいんじゃないかとか。いや、バカみたいなんですけど、ACのコマーシャルばっかりずっと観てるとほんとそうなるんですよ。
スーパーの棚がカラなことより、暖房消してダウン着て過ごすより、それが私には一番こたえました。
でも、世の中には佐川急便の兄ちゃんみたいな人がたくさんたくさんいるんですね。
いつもエロ動画でお世話になってるDMMが上乗せ募金を始めたり、女王様ライターの早川舞さんが“SM募金”なるものを企画したり(SMバーでビンタを一発100円とかで売ってそのお金を募金)、ヤシマ作戦が決行されたり、かと思えばいきなりツイッターで立川の熟女風俗店にフォローされたり……いろいろ前向きな動きが出てきたのにつられて私も徐々に復活。
冷静に考えてみれば、今できることといったら節電と募金くらい。それをできるだけしたらあとは外に出て、いつもどおり働いたりバカ話したりしたほうがいい。
落ち着いて見返してみると、WEBスナイパーもいつもどおりAVレビューとかエロコラムとかアップしてたみたいで、なんだか嬉しくなりました。
いやあ、ゆるぎないって素晴らしいよなあ。たとえオナニーだったり、マゾ奴隷だったり、淫語プレイだったりしても、それをよりどころにして日々を生きてる人はいるんですものね。
というわけで、しばらく自粛ムードだったオナニーも昨日あたりからようやく復活しました。
とはいえ、もちろん節電を意識して電マは自粛です。久々に手動でヌカせていただきました。
ちなみにオカズは本棚で見つけたコレ。
いやあ、引っ越しにまぎれて捨てなくてよかった! 俺、グッジョブ。
寒い部屋で布団にくるまって、数年前のにゃんにゃんプレス片手にする手淫はたいへん味わい深かったです。「私、何してんだろ……」と思いつつも、なんだかすごく落ち着いて肩の力が抜けたのでした。いつもやってることをするって、安心するもんですね。
震災に遭った人も遭わない人も、みんなが安心してムラムラできる日が早くきますように。
さて、レビュー用のサンプルAVでも見るか!
(続く)
11.03.26更新 |
WEBスナイパー
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